食事の介助に行くたびに家に帰ると騒ぎ出す父。

父の目は以前の父とは違う

別の生き物のような目になっていた。


ある日夕食の介助に行った時、

父は今すぐ帰ると騒ぎ出した。

私は父に


「帰るってことは、歩けるんだよね?

じゃあ、歩いて見せてくれる?」


と言ってみた。

父は売られたケンカを買うように


「歩けるに決まっている!」


と言ってベットから起き上がり

一歩、踏み出した瞬間


ズデーン


見事に転倒した。

身体の大きい父だから物凄い大きな音を立ててしまい、看護師さんが駆けつけてくれて

ベットへ戻されたのだった。


「そういうことか…」


と父はショックと怒りとが入り乱れたようになり


「帰れ!」


私は看護師さんに事情を説明し

そのまま帰ることにした。


歩けないことは知っていたし、

転ぶものわかっていた。

転んだことで悪化させるかもしれないこともわかっていた。

しかし、病院のようにナースコールで呼べば

何から何までそう下の世話まで

24時間対応するのは私と母の2人では無理なのだ。

だからリハビリが必要だとわかってもらいたかった私は、歩けないことを自覚してもらういい機会になったと思う。


明日以降主治医の先生に何か言われるかな



本日もお読みくださり、

ありがとうございました😊