暗い…。

 

 私は眠りから覚め、目を開けたはずなのに視界は真っ暗だった。

 

 確か昨日は璃花の家に泊まりに来ていたはずだ。

 

 

 

的野「璃花…うっ!」

 

 

 

 ベッドから起きあがろうとするが、何かに引っ張られ首が絞まる。

 

 おまけに手足も自由に動かせない状態だ。

 

 中途半端で雑な金縛りにでもあっているのだろうか?

 

 

 

石森「あれ、美青ちゃん起きたんだ。」

 

的野「璃花…?助けて、体が動かない。」

 

石森「ふふっ。当たり前じゃん。」

 

的野「えっ?」

 

 

 

 突然視界が開けた。

 

 おそらくアイマスクか何かを付けられていたのだろう。

 

 でも目が見えるようになったことで、私の心は恐怖で支配されていった。

 

 薄暗い部屋のベッドの上で、私は手足を拘束され、首輪まで付けられている。

 

 しかも全裸で。

 

 

 

石森「動かないも何も、動けなくしてるんだよ。」

 

 

 

 全く頭が追いつかない。

 

 昨日、璃花の家でお泊りをすることになって…、ご飯を食べてる途中で眠くなって…、目が覚めたらこうなっていた。

 

 

 

的野「どうして…?」

 

石森「昨日の収録で愛李が言ってたこと覚えてる?」

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

谷口「愛李たん、二人きりになっちゃったね。ってすごい嬉しそうに言ってきて。」

 

土田「ちょい、ちょい、ちょい…」

 

中嶋「今言うなよそれ〜!」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

的野「あっ…」

 

石森「思い出したみたいだね。」

 

 

 

 そうだった。

 

 ノリで言ったことだが、愛李に曝露されてしまったのだ。

 

 

 

石森「ねぇ、美青ちゃんは私の何?」

 

 

 

 やばい…、めちゃくちゃ怒ってる…。

 

 

 

石森「ねぇ!」

 

的野「か、彼女です…。」

 

石森「ふ〜ん。彼女いるのに他の人にそんなこと言っちゃうんだ〜。」

 

的野「ごめんなさい…。」

 

石森「謝罪なんかいらない。二度と他のメンバーに尻尾振らないようにお仕置きすればいいだけだから。」

 

 

 

 スイッチの入ってしまった璃花を止める方法なんてものはない。

 

 自分の過ちを悔い、璃花が満足するまで耐えるしかないのだ。

 

 自分の物だと主張するかのように至る所に噛み跡を付け、血が出てもお構いなし。

 

 私が気を失いかけようが、泣こうが満足するまでは終わらない。

 

 

 

的野「ん゛っ…、あっ、、」

 

石森「綺麗…。」

 

的野「ハァハァ…。」

 

 

 

 もう、何度果てたのかもわからない。

 

 意識を保っているのが精一杯で動くこともできない。

 

 

 

石森「ごめん…。」

 

 

 

 璃花が謝ったということは、落ち着いたってことだろう。

 

 

 

的野「ハァハァ…大、、丈夫。」

 

石森「本当にごめんなさい…。美青ちゃんが他の子に取られるんじゃないかって不安で…。」

 

的野「私こそ不安にさせてごめんね。でも私は璃花しか興味ないから。」

 

 

 

 先程までの勢いはどこへ行ったのやら。

 

 怒られて反省してしょんぼりしている子犬みたいだ。

 

 そんな璃花の頭をそっと優しく撫でる。

 

 

 

石森「美青ちゃん…。好き…。」

 

的野「私も璃花のこと好きだよ。」

 

石森「傷…消毒するね。」

 

的野「これぐらい平気だよ。」

 

石森「ダメだよ、美青の綺麗な身体が…。」

 

的野「ふふっ、ありがと。」

 

 

 

 どんなに酷いことをされても、私は璃花から離れることはできない。

 

 それは璃花も同じなのだろう。

 

 なぜなら、どんな歪な形であろうと、これが私達の愛の形だから。