まただ…。

 今日は3回目。

 最近どんなに疲れていても、熟睡できずに目が覚めてしまう。

 そのせいで、常に睡魔と戦っているから仕事もあまり集中できていない。

 一度病院で診てもらった方がいいのだろうか。

 時刻は夜中の2時。

 こんな時間に迷惑だと思いながらもある人にLINEをする。



小林:オダナナー。こんな時間にごめん。起きてる?



 多分寝てるだろうな…。

 そう思ったが、既読がすぐに付いて返信がきた。



織田:起きてるよ。どうした?

小林:今から部屋行ってもいい?

織田:全然いいよ!待ってるね。



 私は携帯と、一緒に寝ているぬいぐるみを持ち、隣の部屋に移動した。



小林「こんな時間にごめん。」

織田「気にしないで。彼女が困ってるときに助けるのは当たり前だから。」

小林「オダナナ…。」

織田「よしよし。」



 どんなに不安でもオダナナに抱きしめられて頭を撫でられると安心する。



織田「また目覚めちゃった?」

小林「うん…。眠いから寝たくてもすぐに起きちゃう。」

織田「そっか。とりあえずベッド行こう。」



 眠い目を擦りながらオダナナの後について行く。



織田「由依は壁側にしな。せっかく寝れたのに落ちたら困るから。」

小林「ありがとう。」



 私が横になると、そっと布団をかけてくれた。



織田「もう寝る?それともなんか話す?」

小林「ちょっと喋りたい。」

織田「いいよ。」



 喋りたいとは言ったものの、眠くて意識は半分ない。



織田「寝たくなったら自分のタイミングで寝ていいからね?」

小林「あのさ、頭。」

織田「いいよ。」



 オダナナは右手で私の頭を撫で、左手で手を握ってくれた。



小林「オダナナ、……好き。」

織田「私もだよ。」



 それから私の記憶はない。

 気づいたら朝になっていて、カーテンの隙間から日か差し込んでいた。



織田「おはよう。よく眠れた?」

小林「いつもよりマシかな。あの後一回も目が覚めなかったし。」

織田「よかった。」



 なぜだろう。

 何回かオダナナと寝たことがあるけど、そのときだけゆっくり寝ることができる。



織田「あのさ、大事な話があるんだけど聞いてくれる?」

小林「いいよ。」



 まさかの別れ話?

 夜中にLINEなんかして嫌われてしまったのだろうか。



織田「そんな不安な顔しなくても大丈夫だから。ここ座って。」



 私は手を引かれ、オダナナの膝の上に向かい合わせになって座った。



織田「最近寝れないならさ、私と一緒に住まない?1人よりも一緒に寝た方が由依も安心できるのかなって思って。」

小林「でも…。」

織田「迷惑だと思ってるんでしょ?そんなことないよ。私は由依が幸せならそれでいい。由依の幸せは私の幸せだから。」

小林「オダナナ…。」



 オダナナは私の頭を引き寄せ、唇をそっと重ねた。



織田「可愛い。」

小林「キモい。」

織田「えっ…。」

小林「嘘だよ。私もオダナナと一緒に住みたい。」


チュッ



織田「由依、もう限界。」

小林「昨日はそこそこ寝れたからいいよ。」



 その言葉を聞くと、オダナナは私を抱き上げてベッドに連れていった。



織田「由依、愛してる。」

小林「私も、……奈那。」

織田「今、奈那って言った。」

小林「うるさい。」



 この後私は、動けなくなるまでオダナナに愛された。



小林「オダナナー!腰痛いんだけど。」

織田「ごめんて。今日から毎日一緒に寝てあげるからさ。」

小林「……許す。」



 こうして同棲生活が始まり、私の睡眠の質も良くなった。

 オダナナは私の睡眠薬なのかな?














理佐「最近元気だけど何かあった?」

小林「なんもないよ。」



 私と奈那が同棲しているのは2人だけの秘密。