降りしきる雪の中白銀の絨毯に足跡を付けて下校。手に持っていた傘を肩と腕で支える。赤くなった鼻先と指先をくっつけてはぁ、と息を吐いて気休めの行為。やっぱり寒い。
さくり、さく、さくり、さくり、不揃いな足音が響かずに消えて、また生まれての繰り返し。
一歩前を歩く少女達は手を繋いでゆっくりとした足取りで進む。ショートコートから覗くスカートの裾、またそれから覗く脚はふたりして白い。そんな脚にはお揃いの包帯。
少女達は傷付いている。
「ごめん」
「なんで謝るの?」
俺の謝罪は栗色の髪の少女のなんでの一言によってシャットアウトされた。
もうひとりの黒髪の少女もそうだ、何故貴様が謝るのだ、って門前払い。
「痛い。だろ?」
それはもう体中傷だらけの少女達。何の所為かと聞かれたら答えがたいが、数ある理由の中、仲間の力不足、は必ず上がるだろう。
仲間の、俺の、力不足。
「痛くない」
「うん、痛くないよ」
知ってるのに、もう。気付いているのに。包帯の巻かれた左右の脚。栗色の髪の少女は右、黒髪の少女は左、それを庇いながら歩いていること、気付いてるんだ。少しだけ、ほんの少しだけ引きずっているんだ。なぁ、気付いてんの?お前らもうボロボロなんだよ。
辛いならそう言ってくれたらいいのに。そのほうがずっと気が楽なのに。お前らは痛みを隠すのがうますぎるから、痛みからもたらされる傷みに気づけない。
音の無い声を見付けられるほど、俺は繊細じゃ無いんだ。
寂しいって言ってくれよ。切ないって言ってくれよ。
そしたらとんでいくから、傍に居るから、ずっと、ずっとだ。傍に居るから。
「ばーか、俺のが、せつねぇよ、」
目の前の少女達は俺の声に気付かない(ふりをしていた)。
やっぱり、お人よし。
馬鹿みたいに他人重視な人間だけど、だからこそ馬鹿みたいに愛おしいと思った。
Soundless voice
(この声のすべて奪い去って君に捧げよう)(せめてもの懺悔)
-END-