広陵高校の一件で「ケチ」がついてしまった今夏の高校野球ですが、実に爽やかな話題もありました。
県立岐阜商の横山温大選手。生まれつき左腕の指が欠損しているという、野球選手としては致命的なハンデがありながらも、打撃・守備ともほぼ右腕一本でこなし、名門である県立岐阜商でレギュラーを掴み、見事甲子園に出場された「名選手」なのです。
彼の守備やバッティングを少しだけ見たのですが、横山選手自身が「左腕以外を徹底的に鍛えた」と仰っていた通り、右手と下半身の筋肉が見事に鍛え上げられているという印象でした。その昔、ソウルオリンピックで野茂投手や古田選手等々、後にプロ野球で大活躍する選手を数多く招集した日本代表チームを抑え、見事金メダルを獲得したアメリカのジム・アボット投手を思い出さずにはいられませんでした。横山選手も、アボット投手が瞬時にグラブを持ち替える、いわゆる「アボット・スイッチ」を大いに参考にされ、捕球と投球を瞬時に切り替えられる術を身に着けたようです。
別の記事で、横山選手が少年時代、障害のために上手くプレーができず、悔しい思いを何度もされてきたことが書かれていました。その度、お母様が横山選手に、申し訳なさそうに、
「ごめんね・・・」
と謝っていたそうです。そんなお母様の姿を見て、
「お母さんを悲しませてはいけない!」
と強く感じ、より一層練習に精を出したそうです。横山選手のメンタルは、とても高校生徒は思えない、強固なものだと感じます。同時に、お母様のお気持ちも、同じ親として痛いほど理解できます。
当塾においても、少し学習上に問題を抱えるお子さんの保護者様は、お子様に対して過剰な「罪悪感」を抱え、それが「過保護」に繋がってしまっている例を何度も見ています。仕方がないことなのかもしれませんが、親としての「気持ち」は常に持ちつつも、時にはあえて「心を鬼にして」、親としての「当たり前の」厳しさをもって我が子に接することも、やっぱり必要ではないかと感じるのです。横山選手のご家族は、そんな葛藤の中、見事にひとつの「成果」を達成されました。暗い話題ばかりが先行する高校野球の世界で、久しぶりに爽やかなエピソードを目の当たりにし、全く関係のない私まで嬉しくなってしまいました(笑)。
横山選手は確かに左腕を失ったかもしれませんが、その代わりにもっともっと「大切なもの」を得たのかもしれません。それは横山選手自身の弛まぬ努力と、ご家族をはじめとする周囲の皆様の献身の賜物であることは言うまでもありません。実に「良いもの」を見せて頂きました。
明日は大分代表・明豊高校とのベスト8を賭けての試合があるそうです。県立岐阜商と横山選手の更なるご活躍を祈念せざるを得ない私なのでした(笑)。
頑張りましょう!



