「学校」の意味。 | エフォートアカデミー塾長日記

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静岡県三島市の学習塾「エフォートアカデミー」のブログです。
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我が家では「静岡新聞」を購読しています。最近は新聞を購読しているご家庭が少なくなり、塾の新聞折込チラシも昔ほどの効果はなくなってしまいましたが、連日紙面を見ていると、たまに(失礼!)素晴らしい記事を目にすることもあるのです(笑)。

 

こちらの記事、一気に拝読いたしました。ぜひご一読頂ければと存じます。(静岡新聞のHPに飛べば、「序章」から読むことができます)

 

中学生にして根治困難な病に罹患し、それでも最後まで希望を捨てず、特に「学校」に対して並々ならぬ執念で、文字通り「命を懸けて」学生生活に取り組んだ、実に勇敢な高校生の生涯でした。

 

命の危機に瀕した事実は勿論のこと、思春期の女の子が抗がん剤の影響で髪の毛を失い、ついには足の切断まで選択せざるを得ない状況に至った事実は、筆舌に尽くし難いものがあったと思います。

それでも果敢に「高校受験」にチャレンジし、留年を余儀なくされてまでも「学校」に拘った彼女の強い信念は、いったい何に根ざしたものだったのでしょうか?

 

コロナ禍において、唯一「教育面」において「効用」があったものがあるとすれば、それは「遠隔授業」について広く認識されたことだと思います。遠隔授業についてはいまだ賛否両論があるようですが、彼女のように「学ぶ意欲があっても、物理的に通学ができない」生徒については、積極的に運用すべきだと強く感じます。県教委が重い腰をなかなか上げない中で、磐田北高校の教員の皆さんが声を上げ、校長先生が県教委に、

 

「遠隔授業を出席とみなします!」

 

と半ば一方的に宣言したことは、(誤解を恐れずに言えば)実に痛快であったと思います。先生方にも「公務員としての立場」があったはずですが、教え子の奮闘を目の当たりにして、「今、何が重要なのか?」ということだけを考えて下さった結果だと思います。

彼女の人生は、確かに「あまりにも短すぎた」のですが、良き友人・良き恩師に恵まれたことだけは確かなようです。せめて念願であった「卒業」だけは何としてもさせてあげたかったのですが、その点が極めて残念に感じました。

 

「人間関係」というのは実に煩わしく、現に私自身も大いに煩わされております(笑)。それでも、その「煩わしさ」の中にあえて首を突っ込んでいかなければ、「人の暖かさ」に触れることもできないでしょう。生きていくこと自体が「煩わしさ」や「苦痛」の連続であるのかもしれませんが、得難い友情や愛情、貴重な経験もまた「人生」の一部でもあるのです。「学校」は実に「面倒」で、決して好きではない「勉強」を強いられる「忌まわしい場所」であるとともに、自らの価値観を発掘し、生涯にわたる親友を得るための場所でもあるのかもしれません。彼女のように、「自らの命を賭しても大切にすべき場所」であるのかどうか、幸いにして健康に通学できる環境に身を置いている子供たちは、一度しっかりと考えてみる必要がありそうです。

 

寺田歩生さんの生前の奮闘に敬意を表し、ご冥福を心よりお祈り申し上げます。

 

頑張りましょう!