「受験」が「他人との競争」という事実がある以上、勉強においても「他人の動向」というのは常に念頭に置いておかなければならないものなのです。
以前、こんな子がいました。
「じゅくちょう、Aの奴、全然勉強してないんだけど、なぜかテストはできるんだよね~。俺よりも勉強していないのは確実だよ、俺あいつのこと何でも知ってるから!あいつ、カンニングでもしてるんじゃないかな?」
本当に「残念な子だな」と感じました。もちろん「A」ではなく、的外れな訴えをしてきた子の方が、です(笑)。
実はこのA君、性格はお世辞にもよくありません(笑)。人間関係の構築が苦手で、よく女の子を泣かせていました(笑)。その度に私に大目玉を喰らっていたのですが(笑)、彼はある種の「芯の強さ」を持つ男でもありました。
ある日、彼はふいに私に話しかけたのです。
「じゅくちょう、俺英語が苦手だから、俺にだけ特別にプリント10枚くらい貰えないかな?それとこのことは皆には黙っていてほしいんだけど・・・」
実のところ、彼は勉強することや努力することについては極めて「誠実」な男だったのです。彼の「美学」なのかどうかはわかりませんが(笑)、とにかくひたむきに努力している姿を他人に見せることを極端に嫌う男でした。私はこういう「変わった奴」、決して嫌いではありません(笑)。ただ単にプリントを出すだけでなく、「特別に」事細かな指導を繰り返し、彼も頑張ってついてきました。中学2年生の時は学年でも真ん中より下だった彼の成績が、最終的にはトップ校に逆転合格し、友人たちが心底驚いたのは言うまでもありません(笑)。
「自分が見た世界」だけが「世の中のすべて」だと考えてはいけません。勉強面ではもちろんのこと、生きていく上においても、「真実を知る」ということは何よりも重要であり、そのための努力を怠ってはならないのです。「な~んにも勉強していない」と思い込んでいた「彼」が、実は「努力家」であり、いつのまにかはるか遠くまで離れていってしまったという例は、決して珍しいことではないのです。よく考えてみてください。あなたが「見た」彼の姿は、いくつもある彼の「一面」に過ぎないのです。四六時中、彼の動向を監視している訳ではないでしょう?そのような状況で、断定的に物事を捉えてしまう方に問題があるのは明らかなのです。
周囲の人間の「真相」について全く感付かない「鈍感さ」と、受験期にありながら、そもそも周囲の人間の動向に「無関心」である怠慢さが、結果として受験の失敗を招く結果に結びついてしまうのです。繰り返しになり恐縮ですが、「受験」が「他人との競争」である以上、ライバルたちの動向に細心の注意を払うのは、戦う上での「最低限の資格」であることをぜひ理解して頂きたいと心から感じております。
もしかしたら、「な~んにも勉強していない」のは、貴方だけなのかもしれませんよ。
頑張りましょう!

