「スポーツの未来」と「勉強」。 | エフォートアカデミー塾長日記

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ご自身も金メダリストであり、先の東京オリンピックで監督として大きな成果をあげられた柔道の井上康生さんのインタビュー記事に目が留まりました。

 

国としての「強化の第一線」から、「柔道普及の責任者」へと、一見して180度方向性が異なる任務に就かれた井上さんの考え方には一考の価値があると、私は思います。つい最近まで強化の第一線にいた方が、実はこのような考え方を持っていた方だったという事実に、率直に驚きを感じた次第です。

 

井上さんは就任してすぐに、柔道界において小学生以下の「全国大会」を廃止するという思い切った施策を講じたようです。これは大変素晴らしいことだと私は考えます。

学生時代、とりわけ幼少期における「無茶な指導」は、健やかな成長を阻害する要因となりますし、競技そのものが「嫌いになってしまう」原因ともなってしまいます。柔道などの「体重制限のあるスポーツ」においては、幼少期に厳しい減量を強いることが、後年様々な身体的不調を引き起こす要因にも成り得ます。つまりは、幼少期に「全国制覇を目指す!」などという「戯言」は、「お節介な熱血指導者の自己満足」に過ぎないということなのです。子供にとって「百害あって一利なし」とは、まさにこのことではないでしょうか?

 

幼少期に「すべきこと」は、幼少期にしかできない「基礎的な技能や知識」をしっかりと植え付けてあげることではないかと私は考えます。野球であれば、ケガをしない正しい投げ方、走り方を教えること、柔道であればきちんとした「受け身」の取り方を教えること、さらに言えば、勉強では日々の学習習慣を定着させることや、基礎的計算力を養成してあげること、これらのことはいずれも幼少期に身に着けるべきことであり、野球や柔道や勉強を「好きになる」きっかけに成り得るものだと私は考えます。勝利の喜びを感じさせることが不必要だとは言いませんが、それを「大人(指導者)のエゴ」と混同することは、決して許されることではないのです。

 

指導者たるもの、目先の「勝利」を追い求めるのではなく、中長期的に見た子供の「将来」を思い描くべきだと私は考えます。そういう意味では、指導者の「責任」というのは、極めて重いものだということを自覚しなければなりません。柔道界は井上康生さんという素晴らしい指導者に恵まれて、5年後、10年後には必ずや競技人口が増加することと思います。それこそが「金メダル」にも勝る「勲章」なのだということを、私は信じて疑わないのです。

 

頑張りましょう!