ドルは80円後半、目立ったフローなく方向感に乏しい | 金融-FX

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[東京 12日 ロイター] 正午のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点に比べほぼ横ばいの80円後半。目立ったフローがない中で、方向感に乏しい展開となった。3月の豪雇用統計が良かったことから、リスクオンにやや傾いたが、大きな動きにはなっていない。

<ドル円は目立ったフローなし>

ドル/円は80.83─81.07円のレンジで取引された。朝方は本邦勢の買いが入ったものの、モデル系などの売りが上値を抑えた。その後、3月豪雇用統計が良かったことから、クロス円が上昇。これに連れる形でドル/円も切り返したが、足元では再び押し戻されている。市場では「目立ったフローが出ているわけではなく、方向感に乏しい」(大手邦銀)との声が出ていた。

市場参加者によると、仲値はやや不足だった。

ドル/円をめぐっては、日銀が9─10日の金融政策決定会合で金融政策の現状維持を決めたことなどを受け、11日に6週間ぶり安値となる80.56円まで下落したが、ひとまず下げの動きは一服している。

市場では「米新規失業保険申請件数の小幅減少を予想、次回会合に向けた日銀の追加緩和期待が下支えするとみられ、80円台後半での底固めの展開となろう」(バークレイズ銀行チーフFXストラテジスト、山本雅文氏)との見方が出ていた。

ロイター調査では、米労働省が12日発表する4月7日終了週の新規失業保険申請件数は35万5000件が予想されている。前週は2008年4月以来の低水準となる35万7000件だった。

<白川日銀総裁あいさつは反応薄>

白川方明日銀総裁が支店長会議であいさつしたが、円相場への反応は薄かった。

白川総裁はあいさつで「日銀は日本経済がデフレから脱却し、物価安定のもとでの持続的な成長経路に復帰することがきわめて重要な課題と認識している」と述べ、デフレ脱却に向けた決意をあらためて表明した。日本経済は先行き「緩やかな回復経路に復していく」としたが、欧州債務問題の市場を通じた波及リスクには十分な注意が必要と語った。

関係者によると、日銀は27日に開く金融政策決定会合で、追加緩和を検討する。会合では今後2年間の経済・物価見通しを示す「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」を公表するが、2013年度までに実質的な目標である消費者物価上昇率の1%を展望するのは難しい情勢。米金融政策などの動向次第では、企業収益などに影響を及ぼす円高再燃も否定できない。このため、デフレ脱却に向けて金融緩和を加速する必要があると判断する可能性が大きく、資産買入基金の増額を議論する公算が大きい。

<3月豪雇用統計は予想上回る>

オーストラリア連邦統計局が発表した3月の雇用統計は、同国経済が大方の予想よりも底堅いことを示す好内容となった。発表を受け、豪ドル/米ドルは急伸。 発表前は1.0305米ドル付近で推移していたが、正午までに1.0380米ドル付近まで上昇した。

3月豪就業者数は季節調整済みで前月比4万4000人増となり、予想の6000人増を上回った。失業率5.2%で、予想の5.3%より改善した。

オーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)は先週、金融政策を緩和するかどうかを決定するために24日発表の第1・四半期のインフレ指標を見極めたいとの意向を示し、5月の理事会で利下げに踏み切る可能性を示唆していた。

<FRB高官の発言相次ぐ>

東京時間では、イエレン米連邦準備理事会(FRB)副議長の講演内容が伝わったが、相場への影響は限られた。

イエレン副議長は現地時間11日の講演で、米経済が直面している高失業率と逆風を踏まえると、FRBの超緩和政策は適切だとの見解を示し、必要があればさらなる措置を講じる余地を残した。

副議長は「現在の環境下では、非常に緩和的な政策スタンスが適切と考えている。ただ、見通しには大きな不透明感が漂っており、今後の情報に応じて政策に関する見解を調整する構えでいる」と指摘。「景気回復ペースが予想を下回れば、一段の金融緩和が正当化される可能性がある。一方、回復が大幅に加速すれば、(FRBの現在の予測より)早い時期の引き締め開始が必要になる」との認識を示した。

米金融政策をめぐっては、堅調な指標が相次いだことから、いったん時間軸に揺らぎが生じたが、3月の米雇用統計が予想を大幅に下振れたことで、再び量的緩和第3段(QE3)観測が浮上している。

ロイターが9日まとめた米プライマリーディーラー(政府証券公認ディーラー)調査では、16社中11社がFRBはQE3を実施すると予想した。このうち10社が、6月にQE3実施が発表されると予想。残る1社は今年下半期になると予想した。

11日はFRB高官の発言が相次いだ。米セントルイス地区連銀のブラード総裁は3月の雇用統計の結果について、景気が回復軌道からそれたことを示していないとの見解を明らかにした。同総裁は記者団に対し「雇用統計はあまり良くなかったが、あくまでデータのひとつにすぎない。これによって見通しが大きく変わるとは考えていない」と言明した。同総裁はFRB当局者の中でも、追加緩和を支持するハト派と早期引き締めを求めるタカ派の中間に位置するとみられており、今年の米連邦公開市場委員会(FOMC)では投票権を有していない。

一方、米アトランタ地区連銀のロックハート総裁は、米経済は依然としてぜい弱だが、FRBが追加緩和に踏み切るためには経済の大幅な悪化が必要になるとの認識を示した。総裁はアトランタ地区連銀主催の会合の合間に記者団に対し、「私自身、現時点で追加緩和を検討することには消極的だ」と語り、「(追加緩和は)経済がかなり大きくマイナスに変調した場合に実施する政策と考える」と述べた。同総裁は今年、FOMCの投票権を持つ。

<北朝鮮ロケットは反応単発か>

北朝鮮によるロケット発射問題については「方向にもよるが、物理的被害が生じる可能性があり、円や韓国ウォンにネガティブだが、発射継続や他国への侵攻意図は低いとみられることから反応は単発的にとどまるだろう」(バークレイズ銀の山本氏)との見方が出ていた。

(ロイターニュース 志田義寧)
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