エマ、誕生日おめでとう。
うん、わかってる。今日は本当の誕生日じゃないよね。
忘れたわけじゃない。
あの夜の真夜中、そっと声に出して言ったんだ。
エマの耳に届いたかどうか、わからないけど。
ところで、僕の誕生日のこと、覚えてる?
あの日、ずっとエマからのメッセージを待ってたんだ。
ま、良かったのか、悪かったのか、わからないけど。
今日で、エマの手を離してから一年になる。
ネイルサロンに行ってたよね。時間まで覚えてる。17:50だった。
一年だ。
いろんなことがあった。
特に見た目の面では、自分でも変わったと思う。
時々考えるんだ。もし会ったら、この変わった僕を見て、エマはどう思うだろう?
わからない、だね。
何度も想像したんだ。もし、最初からやり直せたら。
カフェで、ほとんど自己紹介みたいに。
「こんにちは、ラビです、よろしく」
「こんにちは、エマです、よろしく」
そのとき、何かが起きるだろうかって。
エマのお母さんに呼ばれていた名前も、今でも使っているんだよ。
話したいことはたくさんある。
仕事での昇進のこと。
自分磨きのこと(スキンケアやクリニックのケアも、最近は何人かの人に相談されるくらい詳しくなったんだ)。
新しい人生のプロジェクトのこと。
近いうちに自分の道も始めたいと思っている。
でも、この変化の中で変わらなかったものが一つある。
それは、エマだ。
毎日、誰にでもエマの話をしていた。
友達や知り合いだけじゃなく、店員さんにも。
そのたびに「今日もエマの話をしたな」と思った。
去年の11月、韓国に行ったんだ。
エマと約束していた旅行だよね。
ソウルの街を歩きながら、エマが住んでいた場所を探してみた。
一人でも、心の中ではエマの手を握って、案内してもらっている気分だった。
先週末、自分で初めて本格的なアプリを作った。
夜中の3時までやめられなかった。
完成したとき、気づいたんだ。このアプリは、エマやエマの世界に関わるものだって。
「またエマの役に立てたらいいな」と思ったんだ。
エマを忘れようと必死で頑張った。
でも、結局あきらめた。
そして、エマはずっと僕の中にいることを受け入れた。
そうすると、気持ちが少し楽になる。
エマと出会う前の世界に戻ったけど、エマが存在することはわかっている。
もしかしたら、なぜもう返事をしなかったのか疑問に思ったかもしれないね。
あの12月にエマから来た最初のメッセージ、正直ショックだったんだ。
立ち上がろうとしてた僕に、エマが再び現れた。でも「元気?」って確認するだけ。
自分を守るために、深く沈黙するしかなかった。
エマが本気で関係を持ちたいなら、話を聞きたい。
そうでなければ、何も聞きたくなかったって。
あのメッセージが再会の口実ならいいなと思ったけど、
本当に会いたいなら、はっきりそう言ってくれるはずだと考えた。
自分に約束していたんだ。
去年あの手紙が僕の最後の行動だと。
でも今日、その約束を破った。
エマが読んだかどうかはわからない。
今書いたものも、エマが目にすることはあるのかな。
沈黙を選んだ。でも、もしいつか僕たちの道がまた交わるなら、
エマがちょっとでも来たければ、僕はその可能性を閉ざさないよ。
エマ、誕生日おめでとう。