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オピウム(阿片)

オピウムは初めアメリカでの販売を許可されなかった。

なぜならばその名前が反社会的だったからだ。しかし、パリでの成功を経て、ニューヨークでの販売が決まった時、サンローラン自身が初荷とともに船で入港した。

新聞は「阿片上陸」とセンセーショナルに書きたてた。

物議をかもす素晴らしい広告効果。香水「サンローランのパリ」でも、「シャンパーニュ」でも、この手法は別の形で表れて、それがまたサンローラン伝説の一部でもある。

サンローランの服を着たら、サンローランの香水をつけるべき、というほどファッションにふさわしく、どれも趣味がよい。パリ、イグレック、リブゴーシュ、成功した香水ばかりだ。

 

サンローランは、美の神に祝福された人。若くして天才とか神童とか言われ、それをブランドビジネスとしても成功させ、作品を送り出し、マーケットの重要性を世の中に知らしめ、最強のスポンサーを持ち、最高の美に囲まれて・・・すべてがそろっていた。

それなのに、常に巨大なプレッシャーに苦しめられていたという。

天秤は、大きな皿に栄光と同じ重さの辛さをのせてくる。