うちの研究室(だけではないと思いますが)は、M1時点でやることが少なすぎるのがいけないと思います。

  • 興味のある英語論文を自分で3本探し、1ヶ月ごとに1本ずつゼミで内容を紹介する(9~11月)
  • M2になった後の研究計画(A4で3ページほど)を自分で考えて、1ヶ月ごとにゼミで進捗を報告する(12~3月)

これだけです。

もちろん、その過程で、プレゼンのやり方や、大まかな研究の進め方などに関する指導はあります。修了までに必要な単位(授業)を取りつつ、就職活動も多少やるとなると、このぐらいの分量がいいだろうというのが、うちの指導教員の考えでしょう。

ただ、実際には、12~2月は、学生はちゃんとした研究計画を書けず、手が止まります。仕方ないからゼミでは4~6本目の論文を紹介したりするのですが、自分で探して見つけた論文のテーマがバラバラなので、結局自分の研究テーマを絞り込めませんし、提案手法のアイデアが出たとしてもお粗末なものです。しかも指導教員もそれを放置します。これがいけません。

これまでろくに研究をしたことのない素人が、思いつきで論文を3~6本探して読んでみたところで、良い研究テーマなんて浮かぶわけがありません。たった3~6本の論文を参考にしてまともな研究計画を完成させるためには、読む論文のテーマを徹底的にしぼる必要があります。最初からそれができる学生は自分自身で研究テーマを練り上げれば良いのですが、現実的には多くの学生は自分がどんな研究をやりたいか自分でもわかっていないので(または指導教員に論理的にダメ出しされるので)、テーマを狭くしぼって論文を探すことすら困難です。そういった学生には、いっそ研究テーマや読むべき論文を最初から指導教員が与えてあげて、残りの時間を教科書読みや機材の使い方の習得などに充てる方が、学生も多くのことを学べますし、指導教員の業績にもつながりそうなものです。

私は今の研究室に配属されて4年半ほどになりますが、今まで見てきたM2(私自身を含む)は、高性能なスパコンやGPGPUやFPGAに関する研究であるはずなのに、数パーセント程度の性能向上とか、そんな成果ばかりです。現M2も、M1時点でそこそこの専門知識があって、将来有望であると私は思っていましたが、M2になった現在、学力や技術力が上がったようには見えませんし、将来的に完成しそうにない研究や、有用性の見込めない研究をしているように見えます。

せめて、指導教員自身がもう少し精力的に研究をしていれば、学生も指導教員の背中を見て、もっと主体的に動きたくなるかもしれませんが、残念ながら大学の教授ってやつは、研究費をもらってくるための作文と会議と授業と学生の論文の添削ばかりやっているケースが多いようです。私の後輩に「事務職員さんみたい」などと言われてしまううちの指導教員…。いや、指導教員も後輩もどちらも被害者だと思いますが。