今回は一昨日に訪問しました、茨城県つくば市 さくら交通公園に保存のD51 70号機をご紹介します。
関東地方では珍しいナメクジ形(前期形)のD51形です。
私が把握しているのはこの機関車と流山運動公園の14号機、碓氷峠鉄道文化むらの96号機だけです。
以前から保存会の方々のご尽力により状態は良く、昭和63年のJR東日本のD51形復活の際には最終候補まで残った機関車でしたが、当時の副社長の「デゴイチは標準形だよ」との鶴の一声で現在の498号機が動態機に選ばれたのは有名な話です。
「ナメクジ」のゆえんたるボイラー上のドーム。
この中には砂箱、蒸気ダメの他に給水温メ器が入っています。
メンテナンスに手の掛かる給水温メ器がカバーされていては、整備員の手を煩わせた事でしょう。
また、煙室扉周りも旅客用機関車のように丸みを帯びているため、「半流形」とも呼ばれる事もあるそうです。
ナメクジ形の特徴の一つとも言える小形のキャブ。
これは前後の重量バランスを取るために小形化し運転室はD50形と比べると狭い上、さらに動輪の軸重配分も均一に設計されたために空転が多くなり、乗務員の評判も芳しくなかったそうです。

この機関車は北海道で長く活躍したため、切り詰めデフにエンドビームの大形手摺、キャブにはバタフライスクリーンに北海道形タブレットキャッチャー。とバリバリの北海道装備ですが、キャブの密閉化は行われていません。
また、スノープロウは取り付けられていません。
非公式側にはホームと機関車にまで掛かる立派な屋根が取り付けられています。
キャブ内にも入れます。
D51形のキャブ内には何度か入った事はありますが、やはり狭い印象です。
運転席のモケットはデゴイチには相応しく無い、近代的な柄の物に張り替えられていますが綺麗な状態です。
また、自弁ハンドルが欠損していますが、計器類の欠品もほとんど無い印象でした。

蒸気分配箱周りの計器類のガラスも残っています。
助士席側のシートモケットは国鉄標準の青色の物です。
枯れ葉等も落ちていなく、清掃も行き届いています。
テンダー側のバックショット。
尾灯はありませんが、ヘッドライトは奥まった位置に取り付けられた、やはり北海道標準改造とも言える位置にありますが、ヘッドライト本体は失われています。
解説板はだいぶ草臥れた様子で読みづらくなっていました。
非公式側キャブ周り。
メーカーズプレートはなくなっていますが、表記は廃車当時の物(?)がありました。
こうやって見ると奥行きの無い、小形のキャブだというのがわかるでしょうか?
なお、公式側もメーカーズプレートはありません。

ふと、ナメクジ形のD51形は何両製造されたのかが気になり調べたところ、1~85、91~100号機がナメクジ形で製造されたとあり、86~90号機は??と思ったのでさらに調べたら、この5両は標準形の量産試作機として製造され、101号機以降の標準形に反映されたそうです。
デゴイチの奥深さを垣間見るような気がしました。
D51 70号機の公式側にはレールがありますが、2007年までキハ04 8が展示されていました。
このキハ04 8は皆さまご存知の通り、現在では大宮の鉄道博物館にて保存展示されています。
レールがそのまま残っているのももったいないので、常磐線ゆかりの車両でも保存して頂けたらなぁ…と、ふと思ってしまいました。

おまけ
公園内のデゴイチと少し離れた場所には国鉄のハイウェイバスが展示されています。
なお、車内の公開はされていません。
解説板もありますが、バスに詳しく無いのでさっぱりです。


今回はつくば市まで足を延ばしてD51 70号機を訪問いたしました。
かねてから状態の良さは他の方のブログ等で拝見させて頂いていたので、訪問したいとは思っていたのですが、なかなか足が向かず、ようやくの訪問となりました。
実は以前にもこの公園には30年ほど前に友人と訪問した事があり、キハ04形とともに見学した記憶はありますが、当時のお約束で撮影はしませんでした。
現在では少し錆びや汚れが目立ってきた印象でしたが、保存会の皆さまの地道な活動により良い状態に保たれていました。
また、保存会の活動にも自治体の理解ある協力もあるのだと感じました。
このような結び付きがあれば、簡単に解体するという選択はなくなるような気がするのですが…

撮影年月
2019年9月
場所
つくば市 さくら交通公園
開門時間
9時~17時
機関車展示場は16時30分で閉扉しますのでご注意下さい。
年末年始休園