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今回も碓氷峠鉄道文化むらに保存のナハフ11 1をご紹介します。
ナハフ11形はナハフ10形の蛍光灯装備車として製造された軽量客車です。
大きな一段上昇窓を装備したヨーロピアンスタイル。
一段上昇窓はキハ55系気動車や80系電車にも採用されました。

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ご覧の通りだいぶ外板に痛みが出てきています。
軽量客車と言われる10系客車は外板の厚みを既存の車両の2.3ミリから1.6ミリと薄くするなど、車体構造の設計を変更し大幅に車両重量を軽量化する事に成功し、既存の43系のス級からナ級の重量に納める事によって、輸送力の増強に貢献しました。
以降に製造される国鉄旅客車の設計の礎となった車両です。

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窓が大きく明るくなった車内。
既存の客車が木製の内装だったの比べ、内装のアルミデコラ等の採用によって更に明るくなっています。

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座席も掛け心地が改善されています。

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車掌室は空っぽでした😅

このように画期的な設計で誕生した軽量客車でしたが、初期に設計された軽量構造が仇となり車体の腐食が激しく、昭和50年代始めから廃車が始まり、結果的には43系等の旧形客車の方が最後まで残る結果となりました。
また、一部事業用に改造された他は、荷物車等に改造された車両もありませんでした。
このような構造を持つナハフ11形が保存された事は非常に有意義な事ではありますが、前回のブログで記述したように早めに手を打たないと危険なように思います。
修復された車両もあるようなので、前回の訪問から一年近く経っていますので、また近いうちに訪問したいとも思います。

撮影年月
2017年3月