5個目の夢 3
その頃シェリルはというと。
「若紫様にはこちらにいてもらいますよ。」
貴方に会って話したいというご老人がいる。そう言ってシェリルが連れてこられたのは大きな蔵だった。
中には長年使われていないような農機具や、古い着物の入っているであろう箱が沢山放置され、埃被っていた。
「・・・ここは?」
「貴方の永遠のお部屋です。」
そう言って背後で蔵の扉を閉められ、南京錠を外側からかけられた。
しまった!そう思ったときにはもう時既に遅く。
シェリルは逃げ場を失った。
「・・・困りましたね。」
無理矢理力を使って風をおこし、扉を破壊し脱出を試みたのだが、何故か扉は壊れることなく、風は無効化されてしまった。
「・・・これはこれは・・・どうしましょうか。」
何処からか脱出できないだろうかと見渡すが、柵のついた小さな窓がひとつあるだけで、それ以外は何も無い。
ため息交じりに座り込み、脱出方法を考えていると、窓の向こうから声がした。
「・・・シェリル。」
「えっと・・・貴方は・・・。」
「ノエル。」
窓の外にいたのはノエルだった。
隣からウェルダーも顔を出す。
「2人とも無事だったのですね。」
「ええ、問題ありません。ただ、空間を移動した際に着地地点がズレてしまったようで。で、本題に入らせてもらいますが、貴方もシンも囚われています。その理由がよくわかりませんが、なんとかお2人を救出してみせます。」
「シェリル・・・扉・・・強い力・・・開かない。」
「強い力が扉にかけられているのですか?だから風が弾き返されたのですね・・・私にはどうすることもできません。お2人共、申し訳ございませんが、よろしくお願いします。」
シェリルの言葉に頷いて、2人は早々に飛び去った。
「・・・それで、貴方は何か?」
シェリルが振り返ると、そこには最初に出会った白い着物を着た男の子の内、赤い風車を持った方の子がいつの間にか蔵の隅に座り込んで風車をくるくると回していた。
「僕には貴方を助けることが出来ない。でも、今外にいたお兄ちゃんたちの手助けならできる。」
赤い風車はくるくると回っていたのに、突然ぴたりと止まった。
「これは、僕と楓のせいだから。みんなは、ここに来ちゃいけなかったんだけど、どうしても、僕らを救って欲しかったから。ごめんね、迷惑かけて。」
「いえ、私たちは迷惑などと思っていませんよ。どうすれば、私たちは貴方を救えますか?」
シェリルが問うと、男の子は赤い風車をシェリルへと差し出した。
シェリルがそれにそっと触れる。
「そのまま瞳を閉じて。説明すると長いから、映像で見せるね。」
そう言って男の子が瞳を閉じるのと同時に、シェリルも瞳を閉じた。
すると、シェリルの脳に直接流れ込んでくる映像。
何かの祭りの中、村人の手によって囚われる2人の男の子。
黒い風車と赤い風車を持って。
互いの胸をその風車で刺し、共に散る。
その遺体を村人は運び出し、赤い風車を持った男の子は村の井戸の中へ。
これで農業に必要な水に困ることなく、100年は過ごせると村人は歓喜に湧く。
一方で黒い風車を持った男の子は何者かに連れ去られ、村人は行方を捜しきれず、これから作る農作物には呪いが掛かってしまうと嘆いた。
連れ去った誰かは村の廃墟の中へと駆け込み、その家屋の畳の下にある地下へと繋がる階段を駆け下り、広い地下空間へ。
そこで木箱に男の子の遺体を入れて、夜中に山奥にある祠の中へと木箱を置いた。
そこには元から多くの同じ形状の木箱が多々置かれている。
「そうか、君たちは殺されてしまったんだね。村の繁栄を願う生贄として。」
「そう。殺された。でも、そんなことはもうどうでもいいんだ。僕らの願いは、ただひとつ。」
「それは?」
「・・・僕の名前は薫。待ってる・・・ずっと、待ってる。」
薫は、答えることなく消えてしまった。
「・・・・・・ウェルダー、ノエル。早く・・・。」
「若紫様にはこちらにいてもらいますよ。」
貴方に会って話したいというご老人がいる。そう言ってシェリルが連れてこられたのは大きな蔵だった。
中には長年使われていないような農機具や、古い着物の入っているであろう箱が沢山放置され、埃被っていた。
「・・・ここは?」
「貴方の永遠のお部屋です。」
そう言って背後で蔵の扉を閉められ、南京錠を外側からかけられた。
しまった!そう思ったときにはもう時既に遅く。
シェリルは逃げ場を失った。
「・・・困りましたね。」
無理矢理力を使って風をおこし、扉を破壊し脱出を試みたのだが、何故か扉は壊れることなく、風は無効化されてしまった。
「・・・これはこれは・・・どうしましょうか。」
何処からか脱出できないだろうかと見渡すが、柵のついた小さな窓がひとつあるだけで、それ以外は何も無い。
ため息交じりに座り込み、脱出方法を考えていると、窓の向こうから声がした。
「・・・シェリル。」
「えっと・・・貴方は・・・。」
「ノエル。」
窓の外にいたのはノエルだった。
隣からウェルダーも顔を出す。
「2人とも無事だったのですね。」
「ええ、問題ありません。ただ、空間を移動した際に着地地点がズレてしまったようで。で、本題に入らせてもらいますが、貴方もシンも囚われています。その理由がよくわかりませんが、なんとかお2人を救出してみせます。」
「シェリル・・・扉・・・強い力・・・開かない。」
「強い力が扉にかけられているのですか?だから風が弾き返されたのですね・・・私にはどうすることもできません。お2人共、申し訳ございませんが、よろしくお願いします。」
シェリルの言葉に頷いて、2人は早々に飛び去った。
「・・・それで、貴方は何か?」
シェリルが振り返ると、そこには最初に出会った白い着物を着た男の子の内、赤い風車を持った方の子がいつの間にか蔵の隅に座り込んで風車をくるくると回していた。
「僕には貴方を助けることが出来ない。でも、今外にいたお兄ちゃんたちの手助けならできる。」
赤い風車はくるくると回っていたのに、突然ぴたりと止まった。
「これは、僕と楓のせいだから。みんなは、ここに来ちゃいけなかったんだけど、どうしても、僕らを救って欲しかったから。ごめんね、迷惑かけて。」
「いえ、私たちは迷惑などと思っていませんよ。どうすれば、私たちは貴方を救えますか?」
シェリルが問うと、男の子は赤い風車をシェリルへと差し出した。
シェリルがそれにそっと触れる。
「そのまま瞳を閉じて。説明すると長いから、映像で見せるね。」
そう言って男の子が瞳を閉じるのと同時に、シェリルも瞳を閉じた。
すると、シェリルの脳に直接流れ込んでくる映像。
何かの祭りの中、村人の手によって囚われる2人の男の子。
黒い風車と赤い風車を持って。
互いの胸をその風車で刺し、共に散る。
その遺体を村人は運び出し、赤い風車を持った男の子は村の井戸の中へ。
これで農業に必要な水に困ることなく、100年は過ごせると村人は歓喜に湧く。
一方で黒い風車を持った男の子は何者かに連れ去られ、村人は行方を捜しきれず、これから作る農作物には呪いが掛かってしまうと嘆いた。
連れ去った誰かは村の廃墟の中へと駆け込み、その家屋の畳の下にある地下へと繋がる階段を駆け下り、広い地下空間へ。
そこで木箱に男の子の遺体を入れて、夜中に山奥にある祠の中へと木箱を置いた。
そこには元から多くの同じ形状の木箱が多々置かれている。
「そうか、君たちは殺されてしまったんだね。村の繁栄を願う生贄として。」
「そう。殺された。でも、そんなことはもうどうでもいいんだ。僕らの願いは、ただひとつ。」
「それは?」
「・・・僕の名前は薫。待ってる・・・ずっと、待ってる。」
薫は、答えることなく消えてしまった。
「・・・・・・ウェルダー、ノエル。早く・・・。」