村木弾 | 赫いわななき〜地獄編〜

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「明日へ手拍子」村木弾
作詩/舟木一夫 作曲/徳久広司 編曲/杉村俊博
C/W 「俺のMAX」
作詩/森林檎 作曲/徳久広司 編曲/杉村俊博
コロムビア COCA-17470 2018.06.27.

続いては一応ヒットしてる曲ではありますがどうしてもご紹介しておきたくて。村木弾さんの「明日へ手拍子」です。

村木さんについてはですね、今まで正直ちょっと…だったんです(ファンの皆様、本当にごめんなさいm(_ _)m)。どうもデビュー時の “鳴り物入り” ぶりが後を引いてしまって。まぁ同期の三丘翔太クンや真田ナオキさんと比べて明らかに修行積んでらっしゃるし、歳もいい感じだしバツイチだし(ここは寧ろスキなトコよ)、新人でぇ〜す的なプロモーションは出来ないんでああいう露出の方法を取られてたのは分かるけどね。

で、2nd「都会のカラス」、3rd「親父の手紙」とやや落ち着き気味の展開になってきて、そろそろ一般的な演歌歌手へ進んでくのかなぁとユルくチェックはしてたんです。

そしたら新曲がコレ。やられた〜!lol lol

どうしてこんな事になっちゃうんでしょう…もう一発逆転で村木さん大大大好きに(笑)いやここまでヤラれたら好きにならざるを得んでしょ。


何しろ歌詩がまずブッ飛んでます。冒頭からイキナリ、

♬パパンがパンときてググイのグイっ

ってアナタ…。前2作でのシブめ路線をちゃぶ台ひっくり返すが如くブッチしてくれるこの出だしに頭クラクラ…これよ、コレがいいのっ!アタるのっ!!

しかも、パンパングイグイから唐突に変調!して「北酒場」みたいなメロへ突入!しかもサビでブレイク→変調して、またしてもパパンでグイッよ。更にラストのパングイは転調してるし!!どうなの?どうなのよっ?!


…いやースゴい。ここまで徹底した植木等路線曲、久々です(ポンギちゃんのはどっちかっつーとアイドル寄りねw)。しかも、とてもこんな路線に似つかわしくない(あくまで見た目が、ですけど)村木さんにこの路線をヤラせるとは…作った人の顔が見てみたいわ。

…って、作詩はあの!舟木一夫さんなんですけど(笑)。いや笑ってる場合じゃなく、あの大御所・舟木一夫さんがこんな詩を書かれるとは…吃驚。マジ素晴らしい。
3番ではかなり攻め気味のフレーズまで!

まぁ、デビュー曲「GOZARU」にしても軽快な曲だったし、2ndで抑えめの詩を提供しつつも♬カァ〜だし、シブくなり過ぎがちなイメージの村木さんに “柔らかさ” を見出そうとされてるんじゃないでしょうか。もしくは、シブさとヤワさの化学反応を意識(もしくは実験)されてるとか。

そういう意味でもこの「明日へ手拍子」はバッチグーよ!作曲の徳久広司先生も大いにハッチャケたメロを提供されてるし、挙げ句の果てに『フナキだぁ〜』『トクヒサだぁ〜』の合いの手!もうやりたい放題!!ちなみにラストで村木さんご本人も『ムラキだぁ〜』と叫んでくれてますが、大御所二人を前にしてやや控えめのような(笑)ここもツボなトコロ。
帯部分が豪華仕様なこのシングルの裏側の写真。掛け声を吹き込んでる時のお写真だそうですが、大御所勢揃いで村木さん恐縮の図って感じw

詩と曲でこんだけアソんでコーラスまでアソんでる(全編で入ってる合いの手にはコロムビアのスタッフの方々も参加されてるとか)んですからアレンジもアソんでないワケがない!という事で、杉村俊博先生もドカジャン気味にしつつそれでもしっかり聴かせるアレンジを施してらっしゃいますね。宇宙人wのようなイントロで始まり、完全に狂猫を意識したと思われるエンディングにズッコケまくりながらGJ‼️👍を贈りたい!

関係ないけど、俺の大好きな衣佐潤ちゃんの「本気です」って曲を書かれてる “杉村としひろ” さんって杉村先生なのかしら。ずっと気になっておりますの。


C/Wは舟木さんの詩ではないんですが、こちらもすんげータイトルの「俺のMAX」。すごいわー村木さんのMAXってスゴそう(←なんだか違うからw)荒木一郎オマージュなのかと思ったら、こちらは何とマイトガイ路線!でした。

マイトガイ路線だと高倉一朗さんの「おまえを狙って」五条哲也さんの「さすらいおはら節」を今までご紹介してるんですが、どれもこれも全て徳久広司先生の作品よ!よっぽどお好きなのね…いや俺も大好きですけど。
「俺のMAX」はかなりカッコいい部分を強調してまして、まぁタイトル曲がタイトル曲ですから(笑)バランス取ってるんだとは思いますけどこちらがタイトル曲でも充分イケるのでは?そもそも村木さんって佇まいに存在感あるし、役者とかやっても良さそうなイケメンルックスだし(孤独なチンピラ役とかハマりそう)、こういう役者っぽい路線は似合ってますよね。

キャライメージが完全硬派(リーゼントも黒Tばっか着てるのもコダワリがあるって以前TVで話されてたような)、ぶっきらぼうでナイーブな印象の村木さんだからこそ、「明日へ手拍子」のような飛び道具満載の曲を正面突破で歌えるのかなー。コロムビアさんは走裕介さんといい村木さんといい、硬派な野郎路線のお二人を配してるのが大きな強みですね(しかもお二人とも船村徹先生の門下生)。走さんの「山が笑ってら」みたいに、村木さんもロックテイスト溢れる演歌を歌ってみてもいいかも?と、今後のさらなる展開を期待してる一人です。期待しておりますよ!

裏ジャケ。オトコの哀愁が滲み出てますなーかっくいい!!