藤代舞 | 赫いわななき〜地獄編〜

赫いわななき〜地獄編〜

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「吐息はYES」藤代舞
作詩/結木瞳 作曲/坂本数馬 編曲/伊戸のりお
C/W1 「螺旋階段」
作詩曲/坂本数馬 編曲/伊戸のりお
C/W2 「晩秋の美」
作詩曲/坂本数馬 編曲/辻宏樹
キング KICM-30670 2015.07.22.

今年初めての楽曲紹介、ここはやはり強烈曲からイカないとね。というワケで選んだのはこの曲、藤代舞ねいさんの「吐息はYES」です。

もうナンなのかしら、ダメよねこの曲。何度でもリピートして終わらないアクメを貪りたくなるの。カラダの芯の導火線を根っこから引き抜かれて、爆発できない悦楽に悶え狂う感じ。皆さんも欲しいでしょ?ウフフフ
…あらイケない(笑)冒頭からトバしてしまったかしら。それくらいヤバさ満点の楽曲なんですのよ。

藤代舞さんは2011年「寒椿」という曲がデビュー曲のようですが、その前からライブ活動はされてたようで20年以上のキャリアを持つヴェテランの方みたいです。CDデビューはご自身のオリジナル曲を持ちたいからだとか。日本舞踊も長くやってらっしゃるそうで、その関係か「寒椿」は普通の演歌でしたが第二弾の「吐息はYES」で歌謡曲路線に挑戦という事で。
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その「吐息はYES」、すまいるFMもといクローバーメディアで日曜20:30より放送されてる『数馬と舞の歌謡曲』という番組で共演されてる坂本数馬さんの作品。
歌手でもありつつ作詩作曲もこなされる坂本さんについては以前に伊達悠太君の処でもチラッと書きましたが、恐らく異常な才能をお持ちの方ね。坂本さんののオリジナル曲「夜」、これはいつかここでも紹介したい名曲です。
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PVより画像お借りしました

曲冒頭の歌詩
♫夜が手招きする / 肌の震えで分かる
もうこれだけで噎せるほど分かるワ、夜というケダモノが火照るカラダに忍び寄るのよね…ムード歌謡ではなく、明らかなディープ歌謡の分野の方。
そんな坂本数馬さんが曲を手掛けられた舞ねいさんの「吐息はYES」そりゃダメなハズだわ。洪水を熾したかのように蜜液が渦潮巻く熟作品となっております。

常に何かしら企んでるような、いざとなれば噴出も辞さないような、そんな意気揚々と瀞んでるメロも凄いんですが、この曲の一番のポイントはサビ部分
♫吐息は ウフフフン
♫吐息は YES〜
の処。最初にこの曲を聴いたのはTVだったので正式な歌詩が分からず『うふふふ』って云ってるのかと思ったら『ん』も付くのね。いや正式には『ンぅ💕』というべきか(笑)んでウフウフした後に♫いぇ〜えすぅぅ〜で牝叫びのごとく歌いアゲるという完璧な構成。舞さんも途方も無いコケティッシュさでこのキモ部分を表現されておられます。しかも2番では、♫吐息は、アハハハン、よ!リフではどんなコトになるか…と思ったら♫ウフフフンに戻ってました、あー良かった。
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衣裳もフリフリだったりセクスィーだったり。

そもそもサビのこの部分に「うふふふん」なんて詩を入れようとするセンスが秀逸なんですね。詩の内容はジゴロ稼業のオトコに翻弄されつつそれでも疼々が止まらない牝獣の心情吐露ってカンジですが、その疼々の部分をこの「ウフフフン」で極限的に表現されていると思います。イヤイヤと云いつつ用意万端、アレもコレも装着済ですわよみたいな(笑)
{E4D91BD6-59F8-44E5-8698-DC892C9ED22A}吐息はぁ〜
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{5F521209-CBC3-4BE6-AFA9-1B1A57EA6764}ふンぅ💕
…やっぱ、ダメよね(笑)

作詩を手掛けられた結木瞳さんって昨年の日本作詩大賞最優秀新人賞の方(受賞曲はあさみちゆきさんの「四畳半の蝉」)ですが、調べた限りでは2001年真咲よう子(紅谷洋子!)さんの「世紀を越えて」という曲のクレジットに名前がありますね(同一人物かは未確認)。まぁアカデミー賞とかもデビュー年で新人賞を選ぶ訳じゃないからね。
最近では夏木ゆたかさん「ぶって叩いて香水つけて」とか加川明(川崎公明!)さん「恋のダンスが止まらない」とか、多分仕掛けたくて仕方ない感じの作品が多いかな。何しろ言葉選びの感覚はかなり俺好みですね。
「吐息はYES」の詩はかなりザク切り感のある、ちょっと薫りは薄めな詩なんですがこのサビ展開のセンスだけで満足。充分グジュれます。

そんなグジュ曲を表現される舞さんの歌唱、ちょいキー設定が高めなのかズゥ〜っとうわずり気味の歌唱なんですけど却ってソコが何ともセクシーでスリリング。貞淑なレディーの束の間の非日常を垣間見るような背徳感がヒシヒシと伝わって来ますよ。で、♫うふふふん、の後の歌い上げで『やっぱりプロだわ…』と思いつつ昇天出来るという。これぞ歌謡曲の極意ですな。

C/W「螺旋階段」はそれを更に推し進めたディープ歌謡寄りの作品。と云っても実はこの作品、デビュー曲のC/Wだったようで。なぁんだ舞ねいさん、最初からヤル気マンマンだったのね(笑)。
こちらは詩曲とも坂本数馬さんが手掛けてらして、譜割りから展開から至るところが歪みまくったダークサイドポップスとなっております。こうゆうの、好きなんすよねー!慾望のみが先走って迷走するメロディ、云いたい事だけ呟き放つ歌詩…最後のサビ三回転の畳み掛けもグーよ!アレンジもカッコ良い。
舞さんの歌唱もノリノリで、ちょっと中瀬ゆかりさん似(という事は上西小百合似か?)の舞さんにピッタリのフテブテしくも揺れるオンナ心を表現された作品です。
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そしてボーナストラックとして収録されてるのが「晩秋の美」。CDとして考えたらこっちが正式C/Wで「螺旋階段」がボートラじゃないかと思うんですが「晩秋の美」はそれ以前からオリジナルで歌ってらしたとかかな?
こちらは穏やかなメジャーバラードでして多分「あなたしか見えない」辺りのイメージじゃないかと思いますが、壮大なように見せかけつつ歌詩に“炬燵掛け”なんて単語を紛れ込ませて庶民感を煽る辺りが坂本数馬先生の為せる匠技でしょう。この曲も好きだわー。

ちなみにこの「晩秋の美」、衣裳はウェディングドレスだとか。昨年配信された『パインスターチャンネル』にゲスト出演された際に話されてました。
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ここでは「吐息はYES」のフルコーラスも歌唱されてますので、こちらをご覧下さいませ。『パインスターチャンネル』は隔週水曜日配信、最近はスナモヨウのTOSHI君も出演してたし、大好きな岩川智也さんも出てるんで毎回要チェキの番組よ。

というワケで藤代舞ねいさんの「吐息はYES」が孕む堪んない魅力をお伝えしたつもりですが、果たして大丈夫かしら(苦笑)上述『パインスターチャンネル』でのトークを見る限りご本人は控え目でおしとやかな女性のようですのでお間違えなく。いや、歌を表現するとなればこんなコケティッシュビーストにも変貌する舞ねいさん、これからも期待しておりますわよ!
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