作詩/麻こよみ 作曲/徳久広司 編曲/伊戸のりお
C/W 「男さすらい派」
作詩/新條カオル 作曲/徳久広司 編曲/伊戸のりお
クラウン CRCN-1321 2007.10.03.
今回ユルぅくご紹介するのは五条哲也さんですよ。曲は怒涛のダイナマイト歌謡、「さすらいおはら節」!
五条さん、この曲で2007年にデビューされております。その前にはバンド活動とか団しん也の付き人とか色々されてらっしゃったようですが、カラオケ大会での優勝がきっかけでデビューされたようですね。
うーん、そりゃカラオケ大会で注目されるだろうなーだってこの声だもの。
そう、五条さんの魅力はまずその声質にあるでしょう。何というマイトガイ声!…ってコレ、あんまし触れてる処がないんですがいいでしょ。ご本人も尊敬する歌手として挙げてらっしゃるんだしね。軽くウナる処とか、高めの声をテッペンから突き上げる部分とか、まぁ意識して歌ってらっしゃるんだと思います。
曲も完全にソコを当て掘りした作品になってまして、デビュー曲にこれをもって来たのはさすがですねぇ。普通なら王道を外しながら雰囲気だけ醸していこうとするんでしょうが(2nd以降はソッチ路線だし)、真っ向から対決する姿勢に心打たれました。さすが五条さん、漢だね!ちなみにCD帯には『こんな男を待っていた!平成のエンカガイ・五条哲也!!堂々のデビュー曲は痛快娯楽歌謡!!!』と書かれてました(笑)
おはら節といえばマイトガイご本家も「鹿児島おはら節」という曲をリリースされてらっしゃいますが、この「さすらいおはら節」はどっちかというとダンチョネとかズンドコとかそういうノリ。詩の展開は普通にしてリズムでワクワクさせようという曲展開ですが、完全にご本家のノリを踏襲しつつちゃんと今風に仕上げております。ちゃんとアンコでおはら節も一節入ってますが、ここがちょっとヤンチャぽくてステキ!
作曲は徳久広司先生。徳久先生でマイトガイ物といえばやっぱ、以前もご紹介した高倉一朗さんの「おまえを狙って」!
この曲のリリースは2011年、同じクラウンだし何気に五条さん向けに作った曲だったりして。というか徳久先生もお好きなのねきっと。
カップリングの「男さすらい派」も同様の路線なんですがこちらは渡り鳥シリーズを意識してるんでしょう、歌詩にも“渡り鳥”って入ってるし口笛ぽいサンプリングをメインに出してるのがまたニクいね。
…とほぼあからさまにマイトガイ路線を貫いてるデビュー曲なんですが、個人的に五条さんの良さはそこから離れた部分に感じたりして(笑)。
声をふり絞らないで歌ったり、ちょっと低めの音で淡々と歌ってる部分は彼の素のヴォーカルが出てるんですがそこがちょっと気持ちいいんですよ。♫桜島〜のトコとか、アンコ部分とかね。彼の声、やや荒めに演出されてますが基本は甘めの漢声。そこを意識して聴くとこの曲のまた違った良さが味わえると思います。
デビュー曲で怒涛のダイナマイトボイス(というキャッチだったみたいね)をブチ上げた五条さん、その後は甘い声の部分をメインに出した作品が多いようです。3rdからのカバー曲3連チャン後、オリジナル曲に戻っての「越前ひとり」も素敵なんですが、やはりここは最新曲の「あきらめ上手」もご紹介しておかないとね。
作詩/仁井谷俊也 作曲/岡千秋 編曲/伊戸のりお
C/W 「待子は神戸で泣いてます」
作詩/仁井谷俊也 作曲/岡千秋 編曲/伊戸のりお
クラウン CRCN-1957 2016.04.27.
まず名前のロゴがデビューから変わってない処が個人的に評価高い!トータルプロデュースできてる証拠ですね。ヘアスタイルが中期エリリンになってるのはご愛嬌(笑)。
「あきらめ上手」はあり得ないくらい暗がりに咲き枯れてゆくような日蔭のおんな唄で、これはこれで結構好きです。柔らかめに突き上げるハイトーン部分が彼の嗄れ声(褒め言葉よ)に合ってるしね。前年にはおんな唄を集めたカバーアルバムもリリースされており(『五条哲也の魅力〜おんな心を唄う〜』CRCN-20413)、やはり彼の甘い漢声にはこういうおんな唄路線が似合うんでしょう。ただ甘く歌うだけじゃダメで、そこにホロ苦い男くささが薫るのが五条さんオリジナルの大きなポイントです。
とは云ってもデビュー曲で魅せてくれたダイナマイトボイスももっと堪能したいところ。2nd「旅路の花」は未入手なんですが、カップリングの「デカンショ放浪記」って曲がすごーく気になっております。これはベストアルバム(出てますよー!)買うべきか?