ハヤト | 赫いわななき〜地獄編〜

赫いわななき〜地獄編〜

80年代歌謡曲をご紹介しているHP『赫いわななき』、こちらでは比較的最近リリースされた演歌・歌謡曲から強力チューンをご紹介していこうと思います。
80年代歌謡曲についてはこちらへ
『B級歌謡猟色図鑑 赫いわななき』
http://park17.wakwak.com/~nephila-cravata/

{30EBA3DC-31E2-4948-B868-52838AEB82FD}

「AKASAKAタヌキ村」ハヤト
作詩/高田ひろお 作曲/叶弦大 編曲/若草恵
C/W 「夜霧のグッバイ」
作詩/高田ひろお 作曲/叶弦大 編曲/若草恵
テイチク TEDA-10519 2001.11.21.

またしても8㌢シングルCDをご紹介します。何しろこの頃は全然新譜を聴いてなかった時期なので、どれもこれも今聴くとOH!新鮮曲なんだもの。

ハヤトさんと仰る方です。えゝ、ハヤトさんです。最近“桜井はやと”として新曲を出された『はやと』さんとは別人ですよ。

ハヤトさんは2000年デビューでご紹介するのは2ndシングル。現在は4作目の「恋化粧/未来へ」というシングルが出てるそうなんですがどこのレーベルからリリースされてるか分からず、結局入手する事が出来ませんでした(3rdの「縁結び」も半田浩二さんのブログで紹介されてましたが一般流通はしてない様子なのでテイチクのP盤かな?)最新曲「恋化粧」もいい曲で豪華なPVを動画で見る事が出来るんですが、いろいろと本格的になってらっしゃいますね。
最近は北岡ひろしさんや立石光さんなんて方がいらっしゃったりするんですが、この界隈も脈々と続いてるようで。
{079B62DF-C8EC-4536-9993-8D9733A7BD85}{7530ED67-F441-41D0-849F-9C289414C5D9}
順子さんのは未入手、お知り合いより頂いた画像を使用しました。ムッチーさんは曲だけこの路線ってコトで。

さてハヤトさんにお話を戻して。この2ndシングルでNHK『歌謡コンサート』にも出られてたそうなんですが、何しろどんな衣裳でご登場されたのかが気になるこの「AKASAKAタヌキ村」。タイトルからしてイカガワしさがプンプンして大好き!しかも楽曲が強烈な出来映えという、グイグイっとキテる作品なのです。

幻想的なイントロオープニングから一転、曲冒頭から♫タ・タ・タぁ〜ヌキタぁ〜ヌキ、ですよ!何故タヌキなのか、しかも何故赤坂なのか?もう一切理解不能…狸穴町って麻布ですよね、近いとはいえ何故。赤坂御用地にもタヌキはいるらしいですけど。

いやそんな事はいいんです。冒頭フレーズ、タヌキ連呼のあとに♫男ってなんなの〜と続くんですが、曲内容は男を化かす積りがダマされて…なんて内容ではなく、オンナに化けたタヌキがキツネとの競合の末に禁断のおシッポ見せちゃった!というもの(違うかしら)。高級ニューハーフクラブが本物のオンナに押されてコミックバーに変身したって事でしょうか?もう何が何だか…ってそこがこの曲の最大のポイント、テーマは『混沌・カオス』という事なのでしょう。

しかもそのテーマをハヤトさんは200%熟解し、完全に表現されております。おちゃらけ風の流れではキュート&コミカルに、都々逸風の展開ではなめらかに艶っぽく、そしてキメ処ではズキュンと響く唄声を披露。変幻自在な歌声は確かに仔ダヌキぽくてステキ!これ、完全にショーパブのノリですね。アレもコレも全部ブチ込み、その全てにおいて“魅せる”という事を大前提にした5分間のショーという事かと。

作詩の高田ひろおさんはロコとエッコ「38度の恋の熱」や北島美智代「小雨のメヌエット」、そして以前も取り上げた「誘われてジルバ」の作詩で有名な方(いや何で「およげ!たいやきくん」の作詩家と言えないのか笑)もともと絵本作家だったそうで、メルヘンぽくコミカルに詩を表現される方なのですが、この「AKASAKAタヌキ村」についてはどういうお積りだったのか是非聞いてみたい処ですね。

C/Wは叶弦大さんらしいブルージーな歌謡曲。大ちゃんの“横濱の3部作”の素となる作品とも云えるでしょう。大ちゃんの低音の魅力と相対するハヤトさんの高音のブルース、これは大ちゃんファンの方も一聴の価値ありです。

さて2ndでこんなにブッとんでらっしゃるハヤトさんですが、デビュー時はどうだったのか?気になるでしょ?
そう思って用意しときましたよデビュー曲も(笑)。
{05DA5ACC-8B1E-45DF-A4B7-58E84BA7CE39}
「もう、ひとりじゃない」ハヤト
作詩/夏海裕子 作曲/大野克夫 編曲/宮崎慎二
C/W 「ヨコハマ・めもりい」
作詩/藤裕 作曲/杉本眞人 編曲/宮崎慎二
テイチク TEDA-10478 2000.06.21.
TBS花王愛の劇場『ママまっしぐら!』という昼ドラの主題歌という事で多少知名度のある曲のようですね。ドラマは見た事ないんですが、ミッチョンや網浜が出てたんで話には聞いた事があります(調べてたら中尾明慶のデビュー作なのね)。番組は3クールあったようでこの曲は1クール目の主題歌。別クールでハヤトさんご自身が出演されたという記述をどっかで見たんですが特定出来ませんでした。

大野克夫さんの曲らしくスケールの大きさは感じられますが、そこは2000年の作品って事で打ち込みビートの早流れに乗ったJ-POP風の楽曲ですね。ジャケもそんな感じでしょ。
ここでのハヤトさんはヴォーカリストに徹してて、少し甘えたな高音で歌い切ってます。C/Wは今のハヤトさんに通じる路線なので、多分この声が買われてタイトル曲の主題歌リリースに繋がったんですかね。ただ、ずっと高い音が続いたまんまなので無機質な感じのような…まぁコレが作戦なんでしょうけど。ちなみにこの頃はホリプロ所属だったみたいです。

「もう、ひとりじゃない」いい曲ではあるんですが、「AKASAKAタヌキ村」の素晴らしさを知った身としてはちょっとインパクトに欠けるかな。ドラマでこの曲を聴かれた方々はこのヴォーカルをどう感じたんでしょうか?

…とデビューはJ-POP寄りでしたが、カオスなショーパブ歌謡を経て現在は本格演歌に進んでらっしゃるハヤトさん。ブログを拝見すると地元・兵庫での活動が多いようなのでどんなステージを魅せてらっしゃるのかは不明なんですが、いつか「AKASAKAタヌキ村」を生で聴いてみたいです。このヴォーカル、絶対注目されるハズです!

仔ダヌキ顔のハヤトさん(ごめんなさいっ)ですが、デビュー曲の裏ジャケのカッコ良さに感動!
{A3F3537B-85C3-4430-A20F-D775D420523C}この目線、グッときます(笑)。