。゚ Peace of I ゚。 -3ページ目
また 風が吹き始めた
川の流れは早くなり
海は波が高くなる
風の流れを読みながら
さて どうするか
川にいたら海まで流される
海にいたら戻れなくなる
陸にいても風は止みそうにない
それとも台風の目の中にいるのか
行き着く先はどこも変わりはないだろう
けれど
一人で行くのではないから
誰かの手をとれば渦に飲み込まれる
思案する時間があるのなら
一日中風が吹いているわけではない
感覚とさまざまな道具を用いて
流れを読んでみる
風はどこへ私を連れて行くのだろう
もう一度逆らってみる という手もある
今日も空を見て 雲の様子を観察する
大伯母から届いたはがきを読んだときから
鬼になった と思っていた
なった、のではなく 鬼に戻ったのだ
一度日本語を忘れて
また一から日本語を覚えなおす
年齢、性別、環境に合わせて擬態を始める
人としての記憶はある時点で止まり
擬態している時は流れない
鬼に戻り楽になった
悩むことも迷うことも人である証
悲しみも苦しみも人である証
喜怒哀楽も鬼の私は擬態する
胸苦しい
静かに溜まっていくもの
レントゲンには写らない
心という臓器

