1月 読了本 
『 志記 一 遠い夜明け 』髙田郁

目次:
第一話 遠い夜明け ~ 祖父 教隋(きょうずい)~
第二話 授けられた灯(あかり)~ 父 恵明(けいめい)~
第三話 春の傷 ~ 暁(ぎょう)~
第四話 高々と灯りを掲げよ ~ 美津(みつ)~
巻末付録 赤みみずく付記
文化元年(一八〇四年)、如月。清明の日にふたりの女児が産声を上げる。
ひとりは蔵源美津。蔵源家は黒兼藩で代々藩医を勤める家系で、祖父の教随は秘密裡に腑分けを行い、父の恵明は藩医学校「青雲館」を担う立場であった。
今ひとりは高越暁。備前刀を手掛ける刀鍛冶の一族で、祖母の高越?は「女忠光」の異名を取っていた。
長じて、美津は医学、暁は鍛刀を志すことになる。
猪突猛進で焔にも似た美津、常に冷静で氷に喩えられる暁、女には困難とされる道を選んだふたりの人生が、十九の初夏、思いがけず江戸で交錯する。
志を胸に人生を切り拓いていく者たちの群像劇、いよいよ開幕。
『 栞と嘘の季節 』米澤穂信

目次:
第一章 栞と花
第二章 栞届く
第三章 栞と噂
第四章 栞と嘘
猛毒の栞をめぐる、幾重もの嘘。
高校で図書委員を務める堀川次郎と松倉詩門。
ある放課後、図書室の返却本の中に押し花の栞が挟まっているのに気づく。
小さくかわいらしいその花は――猛毒のトリカブトだった。
持ち主を捜す中で、ふたりは校舎裏でトリカブトが栽培されているのを発見する。
そして、ついに男性教師が中毒で救急搬送されてしまった。
誰が教師を殺そうとしたのか。次は誰が狙われるのか……。
「その栞は自分のものだ」と嘘をついて近づいてきた同学年の女子・瀬野とともに、ふたりは真相を追う。
直木賞受賞第一作は、著者の原点とも言える青春ミステリ長編!
『 恋とそれとあと全部 』住野よる

友達だけど、違う生き物
夏休み、俺は片想い中のサブレと夜行バスの旅に出た。
彼女が口にした、ちょっと風変わりな目的のために――
見知らぬ町で一緒に過ごすうち、そして会話を重ねる度に、サブレをもっと深く知った俺の中に名前のない感情たちが溢れ出てきて……。
特別な夏の4日間が教えてくれた、恋だけじゃない、世界の「あと全部」を巡る物語。
『 きらん風月 』永井沙耶子

目次:
序 楽翁の旅
第一章 埋火
第二章 孵らぬ卵
第三章 自由の身
終章 きらん風月
筆という卵が生み出すのは、武者か美女か、それとも鬼か。
東海一の文化人と、松平定信の交流が心を揺さぶる。──直木賞受賞第一作!
かつては寛政の改革を老中として推し進めた松平定信は、60を過ぎて地元・白河藩主の座からも引退した。
いまは「風月翁」とも「楽翁」とも名乗って旅の途次にある。
その定信が東海道は日坂宿の煙草屋で出会ったのが栗杖亭鬼卵。
東海道の名士や文化人を伝える『東海道人物志』や尼子十勇士の物語『勇婦全傳繪本更科草子』を著した文化人だ。
片や規律正しい社会をめざした定信に対し、鬼卵は大坂と江戸の橋渡し役となる自由人であり続けようとした。
鬼卵が店先で始めた昔語りは、やがて定信の半生をも照らし出し、大きな決意を促すのだった……。
『 リボン 』小川糸

小さな命が、寄り添ってくれた――
少女と祖母は家のそばで小鳥の卵を見つけ、大切に温めて孵す。
生まれたのは一羽のオカメインコだった。
リボンと名づけ、かわいがって育てるが、ある日逃がしてしまう。
リボンは、鳥の保護施設で働く青年、余命を宣告された老画家など、様々な人々と出会う。
人々は、このオレンジ色の頬をした小鳥に心を寄せることで、生きる力を取り戻していく。
宝物は、一緒に過ごした時間のすべて。
『 遊園地 ぐるぐるめ 』青山美智子 田中達也

目次:
1 メリーゴーランド
2 開店マシン
3 フードコート
4 ジェットコースター
5 イベントステージ
6 スイングマシン
7 プール
8 観覧車
田中さんの作品を見て青山さんが物語を執筆し、その物語を読んで田中さんがさらに作品を作成した、楽しさに満ちたコラボ作品。
「山中青田遊園地(ぐるぐるめ)」という架空の遊園地を舞台に、悩みを抱えた6組の客とピエロがアトラクションを通じて心の変化を経験する、心温まる連作短編集です。
カップル、友人グループ、家族連れなど、それぞれの登場人物が遊園地の非日常空間で、不安や葛藤を乗り越え、前向きな気持ちになっていく物語が、田中さんのミニチュア写真と共に描かれます。