グラスゴー万歳!①:ロッド・スチュアートはロンドンっ子 | イージットレコード (ムダグチ出張所)

グラスゴー万歳!①:ロッド・スチュアートはロンドンっ子

謹賀新年
あけましておめでとうございます!

ちょっと出遅れましたが今年もEejit Recordsとイージットのブログによろしくお付き合いお願いします!

北アイルランドのTwo Door Cinema ClubがKitsuneが設立するKitsune Japonからデビューアルバム『Tourist History』を2月にリリース決定というステキなニュースで始まった2010年。(P-Vineさん名義でHMVから、輸入版はamazonからも予約購入開始)
そんな2010年最初の『ムダグチ』(ブログ)を何にしようかと考えましたが、実は長いこといつアップしようかと考えてきたこの映像をついにご紹介しようと思います。

世界随一のライブ・タウンことGlasgowの音楽的ヘリテッジ(遺産、伝統)を特集したO2 Undiscoveredと題した番組のビデオです。2008年の放映で少し前のものですが、Glasgow独特の誇りと楽しさに満ちた雰囲気を反映した秀逸な映像で、今見ても胸が熱くなります。

今はGalaxyブランドに変わってしまいましたがイージットが敬愛していたXFM ScotlandのHeather Suttieや看板DJだったJim Gellatlyを始め、Sunday Mailの音楽エディターBilly Sloan、The Bluebells/The PoemsのRobert Hodgens、The Delgados/Chemikal UndergroundのEmma Pollock、BMX Bandits/TFCのFrancis MacDonald、Sons & DaughtersのScott Paterson、SOMA RecordsのDave Clarkeといった人達がGlasgowのミュージック・シーンについて熱く語ります。

そう、”熱く”語るのですよ!北の国、スコットランドは寒いかもしれないけれど(風が強いとマジ寒い)心は常に”熱い”のです。同番組の他の街のも見てみたのですが、明らかにGlasgow版は”熱さ”が違う。全員がGlasgowという街を、Glasgowというミュージック・シーンを愛している、誇りに思っている気持ちが伝わってきます。もちろん全員ラブリーなグラスゴー訛りで話してくれますが(笑)、一応全国向け放送なので割りにわかり易いはず。是非この”熱さ”を感じてみてください。そして2010年はGlasgowへの音楽の旅を企画してみては?

まずはGlasgow出身の著名アーティストの名前が挙げられていきますが(フランツ、プライマルからパオロまで数え切れないほどの名前が)、Jim Gellatlyが「ロッド・スチュアートは自分じゃグラスゴーっ子って思いたがってるが、実はロンドンっ子さ。ワッハッハ」と言うシーンが出てきます。調べたところロッド・スチュアートのお父さんはスコットランド人で、ロッドが産まれる前はイングランド人の奥さんとスコットランドに住んでいたとか。GlasgowにMaggy May'sというロッド・スチュアートのデビュー曲と同名のパブ兼ライブハウスがあるので、関連があるのでしょうか?いずれにせよタータンをまとった超大物シンガーを切り捨てちゃう潔さと豪快な笑いに、お屠蘇で乾杯です。

O2 Undiscovered 2008 GLASGOW 'Our Music'

YouTube URLはこちら

映像から主なところを抜粋してご紹介(各出自は前述箇所を参照下さい):
1)音楽都市グラスゴー
(The Bluebellsのインタビューに続き)
Emma:グラスゴーは本当に多くのバンドを輩出してきたから、私達にも出来るかもって信じるのは難しいことではないのよ。
Francis:グラスゴーのバンドが何か成し遂げると、皆が「よしっ俺にも出来るぞ」って思うんだよ
Scott:いわゆる音楽産業ってのはロンドンにあって、ここはロンドンからは遠いからね。グラスゴーでは音楽を愛しているからバンドを組むんだ。楽しいからバンドを組むんだ。
Dave:なにせ冬が寒くて暗くて長いんだよ。音楽を作るには最高の環境だね(笑)。

2)グラスゴー独自の音ってある?
Scott:グラスゴーのバンドって本当に色んな音が共存してるんだ。だからこれがグラスゴーバンドの音ってのはないんだけど、でも聞けば「あ、グラスゴーのバンドだ」ってわかるんだよなぁ。
Dave:イングランドのバンドの影響が少なくて、どっちかと言うとアメリカのバンドの影響を受けているんじゃないかな。
Jim G:ビーチボーイズの影響が重要だね。西海岸のヴァイブってのがある。夏っぽいポップネスだよ。アメリカの西海岸じゃなくてスコットランドの西海岸、グラスゴーなんだけどさ。雨が降るので有名な街さ!
Scott:グラスゴーは自由度が高いんだ。今はこうじゃなきゃダメなんていうプレッシャーはなくて、アブストラクトでもポップでもヘヴィーロックでもエレクトロでも何でもOKなのさ。

3)エレクトロとクラブシーン
Dave:マンチェスターのハシエンダで火が付いた後、ロンドン以外にクラブシーンを持っていたのはグラスゴーだけだったんだよ。88年に始めてからもう20年経つね。

4)グラスゴーの箱(会場)について
Francis:グラスゴーの箱っていうのは、いつも音楽シーンをサポートしてきたんだ。13th NoteやNice'n'Sleazy、Stereo、MONO、ABC2、ABC1。音楽性や箱の大きさもいろいろあってね。
Scott:ソーキホールストリートのNice'n'Sleazyは大好きな箱で、15の頃から偽造ID使って潜り込んだな(笑)。Barrowlandで演奏するのは最高だよ。50年代60年代のボール・ルームの雰囲気が残っていて、ピカピカ光っててさ。アメリカのバンドがBarrowlandで演奏した後に話すと皆「おい、こりゃ最高の箱だな!」って言ってるよ。
Dave:Barrowlandのお蔭でKing Tut'sやGarage、SECCなどの成功に道が開けたんだ。ライブをすべき場所として地図にグラスゴーという名前を自分で刻んだんだ。そして全く新しいバンドでも良ければ心からの喝采をあげるオーディエンスがいることが知られるようになり、グラスゴーでいければ他でもいけるってことで、世界でも有数のライブをすべき街になったというわけさ。

5)若いバンドへのアドバイスは?
Scott:バンドって楽しいから始めるんだし、何か起こる時は起こるけど、その何かを強制的に起こらせるわけにはいかないんだ。だから情熱があればいいんだと思うよ。
Emma:信念が大切よ。これがやりたいことなんだ、絶対に出来るんだって信じることね。
Dave:才能や能力も重要だけど、ボクシングに似ているとこがあるね。どれだけハングリーかってことさ。タイトルを取るだけのハングリーさがあればタイトルを取れるってことさ。
Robert:僕の場合は、いいレコードを作りたい、それだけさ。人がなんと言おうと気にしない。音楽が好きなんだ。


年頭から思いっきりスコットランド贔屓な特集と、今年もイージット”頑張って”おります。とは言え、今年はちょっとノンビリと『ムダグチ』(ブログ)していくつもりです。


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