個人的にかなり刺さった傑作ラブコメの紹介です!


『星野、目をつぶって。』(永椎晃平・講談社)

『星野、目をつぶって。』あらすじ(Wikipediaより)

小早川はクラス一の日陰者。休み時間は寝たふり、クラスメイトに名前を覚えられない、そんな中クラス一の人気者のギャル星野海咲の素顔を知ったことがきっかけでメイクの依頼を請け負うことになり、ドタバタに巻き込まれていく。


陰キャな男子と人気者の女子がひょんなことからくっつくという、まぁありがちな展開なのですが、この漫画の特徴は、主人公がヒロインの"メイク"をするというところ。

そもそも少年誌のラブコメ漫画のヒロインに"メイク"という概念はほぼ存在せず、メイクなんてしなくても圧倒的美少女というのがテンプレです。

それが本作ヒロインの星野海咲はメイク前と後でえらく顔が変わります。

こちらがメイクバージョン。見た目からして陽キャなギャル。
『星野、目をつぶって。』1巻より/永椎晃平・講談社)


そしてこちらがすっぴん。「誰だ」
(『星野、目をつぶって。』1巻より/永椎晃平・講談社)


すっぴんの絵も可愛らしい感じなのですが、メイク後に比べるとだいぶのぺ〜っとした顔になってます。

星野は過去のトラウマからすっぴんを人前で絶対晒したくなく、親友にもすっぴんを明かすことができずに悩んでいます。

しかも超不器用なため、自分でメイクをするとハードロックバンド「KISS」のようなメイクが出来上がってしまいます笑 なのでお姉さん代わりの美術部顧問の弓削先生に毎朝メイクしてもらっていました。

すっぴんの状態だと、周りに星野だとバレないため、すっぴん姿で困ってる人の手助けを小早川とともに始めていきます。

主人公の小早川も当初はかなりの曲者で、クラスに馴染めず、ずっと教室で寝たフリをして休む時間を過ごしてるくせに、心の中ではクラスメイトを見下しているような奴。

メイクを請け負うようになった小早川は、自分の気持ちにまっすぐで、時には破天荒な星野と関わり合うことで、少しずつ素直な感情で立ち向かうようになり、徐々に周りから信頼されるようになっていきます。

ただ星野が後先考えずに突っ走ることができるのは"メイクした自分"がいるから。成長していく小早川を見て、メイクという仮面を被ったままの自分の不甲斐なさを実感し始めてから物語は大きな展開を見せていきます。

誰しも周りの空気を読んで"本当の自分"を隠しながら生きているような現代。自分のありのままをさらけ出すのって怖いですよね。

見栄や保身、しがらみなどに苛まれながらも、少しでも自分を変えようとするもがくこと。その素晴らしさを教えてくれるクライマックスは必見です。

連載時には描かれなかった数年後の話がコミックスには掲載されてます。最終話ももちろん良かったけど、この話も読めてすっきりしてほっこりしたな〜

あと各話のタイトルはアーティストの曲名が多く使われているので、話を読んだら、その曲も一緒に聴いてみるのもいいかも!

個人的に好きなキャラは加納。ギャルなのに健気でいい奴。そして頭が良いというギャップも◎





アニメ化とかしてそうでされてないんですね。実写はなかなか難しそうではあるけど。映像になってるのも見てみたいですね!