ラストがかなり印象的だったラブコメを紹介します。
「クピドの悪戯」シリーズでお馴染みの北崎拓さん。このシリーズでは、不思議な事象によって翻弄される恋愛ごとを描いています。




★『このSを、見よ!』あらすじ(Wikipediaより)
子供の頃のトラウマから、尻にある痣(スティグマ)を気にしている鵜守田倫。そのことが原因で人前で裸になることができず、22歳になった今でも女性と関係を持ったことがなかった。
倫の幼馴染であり、幼少期には倫の痣を見つけてからかい、彼にトラウマを植え付けた張本人でもある斑鳩真琴の実家のケーキ屋で見習いを始めて4年が経ったある日、倫はいつものようにもう一人の幼馴染、そして初恋の相手である泉宮千鶴に会うため彼女の職場へ赴く。そこで千鶴を待っている間に夜間の見回りに来ていた看護師、鴨門あゆ美から不審人物として追われてしまう。逃走中に階段から落下してしまった倫は、不本意ながらも鴨門から手当てを受けることに。しかし、倫の尻にある痣を見た途端に彼女の態度は急変し、倫に対して欲情し始める。
自分の尻の痣に、女を自分に対して欲情させる効果があることを知った倫。真琴の友人である鷲尾崇子との出会いから、倫の淡い初恋や彼の運命、そして彼を取り巻く人々の運命さえも全てが狂い始める。
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★『このSを、見よ!』感想・レビュー
7回射精したらもう精子を作ることができなくなる「虹玉」や身体が若返って子どもに戻ってしまう「さくらんぼシンドローム」など、設定だけで続きが気になる作品が多いシリーズですが、今回紹介する「このSを、見よ!」もなかなかの設定。
見た女性を欲情させるスティグマというアザを持った青年の話で、単純な男からしたら「そんなの最高やん」ってなることでしょう。
一度性行為をするとその効果は切れてしまうため、その急激な変わりように主人公は傷心してしまうのです。
スティグマによって得た愛情…それは本当の自分を好きになったわけではない…そう考えると虚しくなりますよね。
主人公を巡って、2人の幼馴染みの女性が出てくるのですが、このヒロイン2人がこの物語の肝です。
斑鳩真琴はスティグマに一番翻弄された女性でしょう。自分の想いとスティグマの効果の狭間で揺れる姿はとても応援したくなりました。
ネタバレになるので深く言及はしませんが、最後に涙しながら語ったセリフはホントに心に迫るものがありました。あとホクロが2つあるヒロインってのもかなり珍しい?
そしてもう1人のヒロイン泉宮千鶴。作者も「この作品は始まった時から、千鶴という女はなんなのかを探し続けていた気がします」と語っています。
過去のトラウマから極度の男性不審になってしまった彼女が唯一心を許せるのが主人公の倫。倫も千鶴が初恋の相手なのですぐに結びつきそうなものですが、そううまくいかないのがラブコメですよね!
紆余曲折あり、やっと上手くまとまったと思ったところでの、、衝撃的なラスト。ぜひ読んでほしいので詳しくは書きませんが、こんな「ハッピーエンドであり、バッドエンド」を見たのは初めてでした。
千鶴は最後になんでそんな行動に出たのか?読めば読むほど「愛とは?」「性とは?」を考えさせられる漫画でした。
またメインのキャラではないですが、看護師の鴨門あゆ美がめっちゃいいです。性欲溺れないかっこいい女性なので注目してみてください!
「クピドの悪戯」シリーズはどれもかなり面白いですし、恋愛について考えさせられるテーマが多いのが特徴です。
設定がすごいのでコメディ色も強く、一気に読んじゃいます。ぜひご覧ください〜!

