これでも
毎日毎日
山のようにある言いたいことを
あなたに
ほとんど言わずに
我慢して過ごしている





不倫さえなければ





私はいまを




いまの生活を



夫のお給料がスズメの涙で
同居の娘が無職で
退職金を切り崩して生活していても
とりあえず食べることは出来ているから
もっと
私はしあわせだと思って
生きてこられたと思う
不倫さえなければ






私という妻を相手に
社内不倫なんかして
私からものすごく恨まれたままで
私とずっと一緒に生きていくことを選ぶ
そんなことが平気でできるくらい
能天気でお気楽なあたまだった夫



私の大切なこの家に
私が人生を生きていくこの場所に

ふたりで一から相談し合って
ふたりでひとつひとつ決めて
小さいけれど
いちから建てたこの家に
ひとつひとつ家具家財を
ふたりで一緒に揃えて
あなたと寄り添って
一緒に仲良く生きていくはずだった
この場所に

あなたは私に隠れて付き合ってた女に
無言電話なんかさせて
不倫相手の女という存在を
この家に
この空間に
私とあなたのあいだに
自分から招き入れた…






あれからの
長い年月のなかで





自分が不倫したことが
どういうことだったのか


不倫がバレてから
自分のしてきた態度や発言や行動が
どういうことだったのか



やっといま

少しずつ気づき始めた夫





でも

毎日毎日嫌というほど  
おかしくなるほど
あなたのしてきたことを見て
ずっと
あなたのしていることを
考えてきた私に
やっと少しわかってきたことは





夫には





不倫なんてことをできた夫には




私たち夫婦を
もう一度あの頃に
戻すための方法なんて
そのために自分がすべき努力なんて
私の気持ちを変えるために
必要なことがなにかあるかなんて




なんにも



なぁんにも

思いつきやしないんだってこと