夫の家事の音が
けたたましくて目が覚めた
我が家は
家事を全部するから離婚しないでくれ
と言った夫が
朝の家事をしている
前日
ふたりとも朝早く起きて
買い物や花の植え替え録画したドラマの鑑賞と
一日かなり盛りだくさんで
充実した(かのような)休日を過ごしたので
私は翌日のお弁当作りを
免除してもらい
いつものように寝ていたのだけれど
かなりのバタバタ音で目が覚めた
出勤に間に合わないくらい
忙しくてバタバタしているのか
それとも
なにかアクシデントでもあったのかと思ったら
そうでもない時間で
アクシデントもない
それがわかったら
私のなかでみるみる蘇った
過去の夫がしてきたことの数々
不倫したくせに
子供を盾に
離婚は嫌だと言い張り
その後の生活では
どんどん人が変わり
帰宅してバタバタと
片付いていない部屋のモノを
嫌みたらしく大袈裟にどかしていく
不倫後のそんな夫の姿が
あたまのなかで蘇った
その頃の私は
夫がモラハラ気質であるということに
ぜんぜん気づいていなかった
布団の中で次々と
脳裏にあの頃の夫が思い出されて
涙が溢れ
朝から突然過呼吸になった
私は
社内不倫され浮気され
女から無言電話を何度も受け
裏切られて
離婚したいと言うのに
それも叶わず耐えて一緒に居させられた
なのになぜ
その原因を作った本人の夫から
こんな仕打ちをされなければ
ならないのか
そんな気持ちで暮らしているころを
瞬く間に思い出してしまった
本当はそれが本心なんじゃないの?
本当はあなたのその態度が
本心なんじゃないの?
なんで俺が朝からこんなに家事してんのに
なに寝てんだよ?って
わざとバタバタ音を立てて歩き
戸を大きな音を立てて閉め
やかんをガチャン!とコンロへ置く
犬のフードボールを
ガチャン!と置く
私には
そんなふうな態度に思えた
そんなふうな音に聞こえたの
傷ついた人と暮らすということが
どういうことなのか
あなたは本当にわかっていない
いつまでもいつまでも
どうして許してくれないのか
昔そう言われたけれど
わからないのはあなた
「…そんなに音を立てているとは
思ってなかった」
「すみませんでした
スリッパに注意が足りませんでした
静かに出来てると思ってた」
「こんなにやってるのになんて
思ってない」
「感謝しろなんて
思ってない」
「ママが読めって送ってきた
カウンセラーのブログにも
書いてあったでしょ?
そんなこともう思ってないよ」
…読めって送ってきた…
ですか…
そういう言い方をするの…
あなたってひとは
ほんと
そういう言い方するんだよね
そういう言い方になるんだよね
少し前の私なら
ここでまた過呼吸になってた
夫と暮らすって
結局こういうこと…
これを繰り返していく
ってこと…
あなたにとっては
ただ会社の若い女にちやほやされたくて
俺はまだまだイケると思いたくて
若い女と隠れて付き合うことが大事で
なによりも優先されて
そんなことで簡単に壊せるような
私との暮らしだったのかもしれないけど
私にとっては
かけがえのないとても大切なものだったんだよ
あの時の1分1秒の暮らしも
ここで2匹目を看病した
あの子の最後までの
1分1秒をみんなで見守ったこの毎日も
どちらもまったく同じ価値の毎日なんだよ
でもあなたは
あなたは選べたんだね
それを…
「すみませんでした…
…後悔しかないです…」