昨日、1年半ぶりに上部消化管の内視鏡検査をした。
ファイバースコープで、食道や胃の内部をみる。
いわゆる胃カメラだ。
実のところ、
「私は胃カメラが大嫌いだ!」
っていうか、好きなひとなんているはずがない。
仮に、
「私、胃カメラ飲むの。大好き♪
あの管をくわえるのが快感なの♪」
というひとがいたら、とてもアブナイので、絶対に近づかないほうがよい。
私は咽頭反射がひとより酷いらしく、いつも胃カメラでは苦労してきた。
誰でも指を舌の奥に突っ込むと「オエッ!」となるが、
私の場合はこれが人一倍ひどい。
いや、ひとの10倍、
いやいや、ひとの100倍
いやいやいや、ひとの1000倍
・・・きりがないのだが、尋常でないのは確かだ。
強度の”先天性突発咽頭反射過剰体質”なのだ。(そんな体質はない)
口から胃カメラを入れた瞬間、
「ゲエエーッ!グエエーッ!クエーッ!」
この世のものと思えない奇声に、医師や看護師が驚いてのけぞる。
すでに私の顔はひとであってひとでなし。
口からヨダレがダラダラ、
鼻から鼻水がズルズル、
目から涙がハラハラ、
額から脂汗がタラタラ、
耳から耳くそがネトネト、(←これはちっちゃな嘘です)
全身から、ありとあらゆるミズモノが噴出する。
内緒だがちょっと失禁しているかもしれない。
その証拠に後でこっそり覗き込んでみると、パンツがちょっと湿気ってる。
そんなこんなで結局、ビックリした医師は検査の継続を断念し、途中降板とあいなる。
したがって、これまで胃カメラでしっかり検査できたためしがない。
苦戦された医師に聞いたところ、ひとこと。
「異常です。」(汗)
昨日お世話になったのは、宮崎市の中心部にある清水中央クリニック。
院長の篠原先生は、内視鏡専門医で上手だと評判だ。
院内は明るい日差しが差し込み寛げるスペースだ。
待合に座ると、あちこちに飾られた胡蝶蘭が目を楽しませてくれる。
受付の美人さんや看護師さんがにこやかで明るいのが良い。
検査にむけて準備をテキパキと進めてくれるので気持ち良い。
・・・はずなのだが、
過去の胃カメラ体験が走馬灯のように脳裏を駆け巡り、
緊張で顔面蒼白となる。
悪いことをして死刑で十三階段を登る囚人のごとし。
さて、
篠原先生にそんな体質をかたったところ、
先生はニコヤカに言い放つ。
「経鼻内視鏡でやりましょう。絶対大丈夫。」
説明によると、
経鼻内視鏡とは、ファイバースコープを口からではなく鼻から入れて行う。
咽頭反射を起こすのは口の奥のほうだから、その部分を避けて通れば良いそうだ。
「なるほど論理的だ。」
納得。
素晴らしい。
だが、素朴な疑問がわき上がる。
「以前みた内視鏡って太さが1cmくらいあったけど、あんなもの鼻に入るものなのか?」
確かにあんなもの鼻に入れたら、カバさんの鼻のように広がって戻らないかもしれない。
これは大事件だ。
スクープ:「胃カメラによる鼻の穴・拡張被害の実態」
2014年新春、
消費者被害のトップニュースとして報じられるのではなかろうか。(大ウソです)
経鼻内視鏡の実物は、女性の小指くらいの太さだった。
女性の小指もいろいろだが、決してマツコデラックスではない。
(マツコデラックスは女でもない)
可憐な京の舞妓さんをイメージして欲しい。
「あんな小指なら、ドンドン鼻に突っ込んで欲しい♪」
ちょっとアブナイので、皆さん私には近づかないほうがよろしい。
本当のところ、経鼻内視鏡の太さは従来の半分のイメージだ。
実際の検査では大きな違和感もなく内視鏡は私の左鼻にすんなり入った。
恒例の阿鼻叫喚はない。
それどころか、TV画面に映る我が胃の内部を観察する余裕まであった。
検査中、先生のポイント解説が分かりやすい。
あっというまに検査終了。
ほんとラクチンだった。
「こんな検査なら1年に一度くらいは受けてもいい。」
そう思わせてくださった先生に感謝だ。
結論。
「胃カメラは鼻からに限る。」
後日談、
「鼻から内視鏡したけど、オエーッとなった。」
「鼻から内視鏡したけど、鼻血がドバーーッとでた。」
など、ご意見が寄せられた。
「主治医の手技も大切だ!」
*(実際は経鼻内視鏡をするのは2度目なので、今回はそれほどの緊張感はなかった。独断で若干誇張させてもらった。)
