『貯金0でも「お金に強い女」になれる本』、執筆時からハマっているのがドラマ「陸王」。
前回のラストシーンで、M&Aを仕掛けられた”こばせ屋”の社長は 「業務提携なんてしなくても、うちと一緒になれば簡単なんです」 と言われましたが、 「その簡単さが私を惑わせるんです」 と答えていました。
100年続いた暖簾を引き継いだ主人公は、「ビジネスや取引が簡単だからこそ悩む」と言いました。
この言葉に、私は未来のお金の姿が込められているように思いました。
私たちがお金を信用するのは、1万円が1万円の価値があると私たちが信じているから。そして 人間が「貨幣」という名のお金を発明したのは、相手が信用できるかどうか確認する手間を不要にするためです。
そうすることで、モノやサービスの交換がスムーズに行われ、お金回りがよくなり、景気がよくなる。 そうすれば、全員が豊かになれる。経済が拡大するからです。
しかし、私たちは簡単さ、便利さと引き換えに「時間の密度」を差し出してきました。
コンビニでの買い物は便利です。けれど、コンビニの店員さんと会話やつながりは生まれません。お金とモノを交換して終わりです。そのことに気づいたコンビニはイートインスペースを作り、コンビニで過ごす時間の体験を提供し始めました。
何年も前から「コト消費」と言われ、海外から日本に来る旅行客にも日本文化を経験できる「コト消費」が人気です。
それは私たちが便利さだけではなく、体験も求めているから。 いやむしろ、便利になればなるほど、時間を節約でき、時間が余ってくる。 その余った時間を私たちは「思い出」になるような体験に変えたいと望むようになります。
私たちがお金を求めるのは幸せになるためです。
では幸せとは何か?
それは「時間の質」だと思います。
今日1日を、明日の勤務時間を、デートの時間を、どんな感情で満たしたいのか? 自分が感じたいと思う感情で満たされた時間が幸福であり、人生の豊かさです。
今、お金の価値がどんどん下がいってますが、それは私たちが便利さよりも、時間の質、つまり、どんな経験に時間を使うことが幸福なのか?を考え始めたからだと思います。
こばせ屋の社長は、そのことを皮膚感覚で知っているから悩んでいるのでしょう。
あなたも「給料と仕事のやりがい」や「業務マニュアルと顧客への想い」、「売れる商品作りとこだわりの商品作り」の狭間で、似たような悩みを持っているかもしれませんが、どんな選択をすることが、自分にとっての幸福なのかを考えて見てください。
SNSでの投稿が蓄積されれば、あなたがどんな経験をしてきた人なのかが誰にでもわかるようになります。そしてブロックチェーンに代表されるテクノロジーが進化すれば、その経験が信用化されます。
世の中がそんな方向に大きく動き始めれば、いつかお金がなくなる日がくるかもしれませんね。