米国のハーツレンタカーは

お客様が本当に喜ぶことは何かを突き詰めた結果

レンタカーの車種の拡充でも

低料金化でも

丁寧な接客でもなく

「貸出手続きの簡素化」以外にない

という結論にたどり着きました。





それにより超簡易型申込システムを開発し

アメリカではダントツで顧客に選ばれています。

開発に際しては、手続きを簡素化することによる

盗難・不支払い・本人確認のリスク回避する仕組みづくりが

大変だったらしです。



ところで日本のレンタカー会社が

なぜハーツレンタカーのように

顧客が“真”に喜ぶ工夫ができないかというと

丁寧な接客での手続きを“おもてなし”と位置付けていて

それが顧客満足度を高めていると

信じているからだそうです。



しかし、レンタカーに関して言えば

それはお客様が望むサービスではなく

提供する側の自己満足のようです。


デパートの洋服売り場での

出口までのお見送りのようなもので

お客様はそんなことを望んでもいないのに

お店側のパフォーマンスにより

会計後、即帰るように誘導され

さらなる購入機会の損失につながっているようです。

会計後、まだ商品を見たい時ってありますよね。



誤解がないように

丁寧な接客が無駄というわけではなく

 レンタカーという商品については

「簡単な手続き」がお客様が求める商品価値で

それを満たした上での話ということです。


商品力のなさを丁寧な接客で補えません。

接客はいいが、墜落のリスクの大きい飛行機に乗りますか。

愛想はいいが、下手な外科医に手術してもらいますか。

接客はいいが、マズいラーメン屋にいきますか。

ということで、まずは商品価値ありきです。




埼玉県草加市の住宅街にある

携帯ショップ「テルルモバイル草加花栗店」では

「地域密着」で顧客を満足させるサービスを徹底して

根強い支持を集めています。


その証拠に携帯ショップらしからぬ

差し入れのお菓子や飲み物で

お店が溢れています。

通常、携帯ショップでは用を足すだけですので

どこの店でもよく

店に固定客がつきにくい業態とされています。



どんなサービスを行っているかというと

一般的に携帯ショップが

やりたがらないデータ移行のサービスを

“あえて”積極的に行っています。

というより、それを売りにしています。


データ移行は接客時間が何時間にもなるうえ

直接的な利益にはならず

しかもデータ消失の責任問題にもなりかねないから

できればしたくないことなのです。


でも、ここではそこを

“あえて”行っています。

なぜなら、それがお客様が望むことと

見極めたからです。


ここでは個人で取得したLINEなどのアプリの

データ移行サービスも行っています。



その手間がストレスで

機種変更に億劫な人が多く

実際、私もそれが嫌で機種変更していません。

お金を払ってでもやってもらいたいぐらいです。


そう実際にここでは

それを結構な料金をもらってやっています。

それがお客様にとってお金を払ってでも

やってもらいたいことだったんです。


お客様からの差し入れが

絶えないことをみればわかるとおり

お金をいただいたうえに

感謝さえされています。



両社ともに

お客様が望むものを見極めています。


しかし、その手段は

「徹底的に簡素化」

「徹底的に面倒に関わる」

と真逆ですが


本質はお客様が真に求めるものを

具現化するということでは共通しています。


商品やサービスは

お客様のために存在しますので


自分が売りたいという発想ではなく

お客様が買いたいという視点で思考すると

お客様が潜在的に求めることが

見えてくると思います。