「フランダースの犬」の物語はあまりに悲惨ですが、アニメでご覧になった方も
多いのではないかと思います。
舞台になったノートルダム大聖堂の入り口の浮彫です。
入り口の門の上の方にこの浮彫がありました。
内部に天井画がありました。
天井画はショットの「聖母被昇天」です。
こちらはルーベンスの「聖母被昇天」です。
画家になりたかった少年ネロが、死ぬ前にどうしても見たいと願っていたルー
ベンスの「キリストの昇架」です。
筋骨隆々、力強い肉体美ですね。
ミケランジェロの影響だそうです。
こちらも少年ネロが死ぬ直前に見ることができたルーベンスの「キリストの降
架」です。
向かって左側が白くなっているのが分かるでしょう。
あれはなんと、名画に西陽が当っているのです。
これほどの絵画が西陽にあたっています。
絵を修復するための募金箱に、わずかですがお金を入れました。
見にくいのですが、キリストの足を持っているのはマグダラのマリアです。
そしてマグダラのマリアの後ろにいる女性は涙をこぼしています。
実物は本当に、今にも涙がこぼれ落ちそうに見えました。
子どもの頃、「フランダースの犬」を読み始めたものの、あまりに悲しくて最後ま
で読めなかった記憶があります。
少年ネロが見たくても観覧料が高くて見られなかった憧れのルーベンスの二つ
の祭壇画を、死の直前に見ることができたのがせめてもの救いでした。