家庭にはリモコンがたくさんあって、
てんでんばらばらに操作されたりすると
どうしたらいいかわからなくなり、
最終的には、
どのリモコンにも従わない
という選択をするのですが、
その中で価値観の多様性を
学べる利点もあるということを、
ご自分の子供時代の経験から
エピソードとしてお話くださいました。
ここで注意しなければいけないことは、
このリモコンの考え方は、
大人社会にも通用し、
各自がみなリモコンを持っているという点、
つまり、自分も持っているのだが、
他の人も一つ一つ
各自リモコンを持っているということに
気づくことが大切だということでした。
同じものを見て、
同じように考えているように
思ってしまいがちですが、
捉え方は人それぞれで
千差万別、違っていて当然と
考えて向かうことで、
物事がスムーズに運ぶ
こともあるということを、
自治会のごみ拾い活動での
出来事を例にしてご紹介くださいました。
町内会の環境美化の一環で、
ごみ拾いをする活動があったそうです。
奥様に代わって先生が
出られることになったそうですが、
集合場所に行ってみると、
なにやら大きな声で
二人のご老人が
口論をされていたそうです。
聞いてみると、
せっかく来たのにごみがないと
腹を立てておられる方と、
ごみが無いというのは、
皆が意識しているからこその結果で、
良いことじゃないか
という方の口論だったそうです。
「全ての行動には意味がある」
と先生は常日頃考えておられるので、
このときも、
腹を立てておられる方を
よく観察されたそうです。
すると、
軍手に大きなゴミ袋、
完全武装のような
出で立ちがひときわ目立っていたそうです。
それを見て先生は、
『この人はごみを拾いたい気持ち満々で
この活動に参加されたんだ』
と気づかれたそうです。
そこで。普段通勤途中に
ごみが散乱していて
気になっていた場所があるので
「ご案内しましょうか」と
提案させていただいたそうです。
快諾してくださったので、
早速家から自転車を持ってきて、
その方に乗っていただき、
ご自分は歩いて
1キロ半ほど離れた場所へ
案内すると、
嬉々としてごみ拾いをされていた
とのことでした。
つづく