小学校で教諭をされていたころの
エピソードも印象的でしたので
ご紹介します。
課外授業で、自動車工場見学
があったそうです。
説明が終わって、
早速見学開始です。
歩き始めた直後、
ひとり左右に蛇行しながら
歩く男子がいました。
やんちゃな子でしたので、
女子たちから睨まれており、
注意してとせがまれたそうです。
車もよく通るので、
先生も気になっていたこともあり
注意したそうですが、
ハイと返事をしても
すぐ元に戻ってしまう
ということを繰り返していました。
何か意味があるはずと
声をかけても、
答えようとしません。
よく観察してみると、
ズボンのわきに
万歩計をぶら下げていました。
そのことを質問すると、
普段厳しいお父さんが、
プレゼントしてくれたと
話してくれました。
なるほど・・・と理由が分かったので、
集団行動中は危険なこと、
みんなが食事をしている間なら
いくら動き回っても大丈夫、
と話をすると・・・、
奇行はピタリと止まったそうです。
そして、昼休みには
他の児童が不思議がるのも気にせず
走り回っていたそうです。
無事学校に戻り、
笑顔で帰宅した彼を見送った後、
先生は、父親に電話し、
万歩計プレゼントのお礼を言い、
そのお陰で
彼は大きく成長できたことを
伝えられたそうです。
困った子だとすぐ叱るのではなく、
何か理由があると考え、
その理由を聞き、
わかってあげることで、
子どもと通じ合える。
また、
それを親に伝えることで、
親と子どもをつなぐことができる。
そして、
親はそれ以後
先生の味方になってくれた。
というお話に大きくうなずけました。