意外に初めて?続き物 | El Despacho Desordenado ~散らかった事務室より~

El Despacho Desordenado ~散らかった事務室より~

2015年1月4日から「Diario de Libros」より改名しました。
メインは本の紹介、あとその他諸々というごっちゃな内容です。
2016年4月13日にタイトル訂正。事務机じゃなくて「事務室」です(泣)。

今日は『波打際のむろみさん』の第6巻を紹介します。
今回も登場するモンスターや人間が盛りだくさん。シャコ貝の三味線を弾き語ることで波を治めるという「2011年の空気を読んだ能力」(p.17)のある大湊さんが登場したり、イルカやラッコのイヤな生態が露わになったりします。

さて、このマンガは基本一話完結なんですが、変態ロボのひでえ話を挟みつつも3話続くものがあります。
事はたっくんが職員室に呼ばれるところから。釣り(フィッシング)部と名乗ってるものの一人きりなのに、出し物を教室丸ごと一つ使って行えと、文化祭実行委員顧問の黒柳先生に命令されます。悩んだり同級生やむろみさんに相談したりした末、却下されることを見越して身近な生物の水族館を提案するのですが、一介の高校生に先生は札束を放り投げてよこします。

黒柳先生「向島ぁ 金(ちから)が欲しければいくらでもくれてやる 貴様の可能性を見せてみろ!! 精々俺を楽しませてくれよ?」(p.38、()内フリガナ)

たかが高校の文化祭にこの熱の入れようは何?な展開も、退路を断たれた形になった本人にとってはたまったもんじゃありません。
それから展示する魚を釣ったり水槽をレンタルしたりして準備を整えるも、「人一人のできることの限界」(p.55)はそこまででした。誰も集まらない出し物に先生は容赦ない批評を下します。たっくんがこの経験をどう生かすか楽しみにしつつ。

拓朗「次 同じような機会があったら 次こそは・・!!」(p.57)

そんなたっくんを優しく見守るのが、むろみさん。普段は推定年齢8ケタ以上の人魚達のドタバタに高校生のたっくんの方が大人な対応を取るというある種アベコベな起承転結が定石だったのですが、今回ばかりはさすが、悠久の時を生きているだけあります。
で、悠久の時と言えば、節分ネタの時むろみさん、イエティ、ハーピーが歳の数だけ豆を食べているんですが、この人(?)達一体いくつ食べなきゃいけないんでしょうか?


Dicen que Japón tiene más acuarios públicos que ningún país.
(日本は世界一水族館が多い国だと言われている。)


『波打際のむろみさん』(6)
名島啓二
講談社少年マガジンKC
高さ:17.2cm 幅:11.8cm(新書判、カバー参考)
厚さ:1.2cm
重さ:122g
ページ数:159
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