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発達障がいを本人や家族に自覚させることは
辛いことなんでじゃないかと思うかもしれません。
最初は誰でも、「うちの子はちがう」と否定したくなるので
その状態で現実を突きつけられるのはとても辛いことだと思います。
同時に、何となく自分も気づいていながら、
気づいていないふりをずっと続けることもとても辛いことです。
また本人においても、必ずしも障がいを伝えることは辛いわけではなく、
本人自身も自分が周りとちがうことに気づいていて、
その理由が分からず、ずっと苦しんでいる場合には
理由が分かって逆にすっきりした、逆に安心したと言うこともあります。
多くの場合、障がいの認識を誤解していることがあります。
インターネットや本などでよく調べられている保護者の方でも
別の障がいや病気と誤認識していることがあり、
対処法についても、全くちがう方向で理解をしてしまうことがあります。
また障がいについて自身の偏見が強いと、
必要以上に悩んでしまうかと思います。
アメリカでは、自身の持つ障がいに対して、
正しい認識をさせるための教育が推奨されており、
子供向けの絵本でとても分かりやすく、明るく説明した本もたくさんあります。
子供番組などで障がいの説明をしている風景を見かけたことがある方もいるのではないでしょうか。
私としては専門家がきちんと介入し、本人や家族が正しい知識を身につけ、
認識をすることが大事だと考えております。
何らかの理由でそれができない場合も、現実から目を背けて否定をし続けるより、
しっかりと現実と向き合って、何ができるのか考える方が
長い目で見てストレスが少ないのではないかと思います。
周囲から理解を得られない場合もあり、辛い思いをされることもあるかと思います。
誰に開示するかは慎重に進める必要がありますが、
信頼できる人、信頼できる専門家に対しては、背伸びをせずに話してみてくださいね。
学校生活や友達に馴染むために、子供自身が無意識に障がいを隠すことがあります。
例えば、コミュニケーションが苦手な子供が、周りに馴染むために
他の生徒の言葉遣いや口癖を真似したり、服装や振る舞いを真似することがあります。
また子供自身が「友達」「友情」の概念を理解しておらず、
「一緒にいること」「同じ空間にいること」=「友達」という認識で
子供に「お友達はいる?」と質問すると「たくさんいる」「●●ちゃんと●●くん」などと
回答することもよくあります。
よく子供とその友達を観察すると、一緒にいるようで
実は話の輪に入っていなかったり、置いて行かれることがあったり
相手は「友達」と認識していないこともあります。
発達障がいの子供自身は、必ずしも「嘘」をついているわけではなく、
自分の中の認識では「友達」なのです。
またできるだけ周りから目立たないように、周りの真似をして
発達障がいを隠すのは、子供なりのサバイバルスキルなので
必ずしも叱る必要はありません。
本来の自分を隠す行動は、実は本人はすごく無理をしていることが多く
気づかないうちにストレスと抱えてしまう事があるので、
できれば信用できる大人や専門家が介入し、隠す行為について
問題とすべきものは認識し、修正すべきものは適切に修正、他に良い方法を教えるなど
上手く導いてあげる必要があるかと思います。
発達障がいが診断される流れとしては、
1. 保護者の方が専門家に相談する
2. 担任の先生や学校の先生から診断を勧められる
3. 小児科医から診断を勧められる
などが一般的です。
症状が分かりやすく顕著であればあるほど、発達障がいが見つかりやすいのですが、
中には症状が外から見ても分かりづらく
本人も自分が感じているやりづらやさや症状を言葉として表現できない場合は
大人になっても見つからない場合があります。
アメリカでよくある例は、授業中大きな声を出す、周りの生徒の邪魔をするなど
目立った問題行動が多いと診断されやすいのですが、
静かな生徒は診断が見つかりづらいです。
女の子は特に発達障がいが見つかりづらく、
授業や周りの生徒の支障にはなっていないものの、
本人は授業に集中できない、周りと上手くコミュニケーションが取れないなど
一人で悩みを抱えてしまう場合があります。
また保護者や周りの友人も、発達障がいであることがわからないと
その子の苦しみや悩みを理解できない、どのようにサポートしたらよいか分からない
というケースが多いです。
私のクライアントも、女の子はとてもおとなしい子が多かった印象です。
ただ、一緒に時間を過ごし、十分な観察やアセスメントを行うと
その症状はしっかり確認することができました。
発達障がいを持つ子供用にソーシャルスキルや生活スキルの教材はたくさんあります。
ソーシャルスキルは、その名の通り、人とのコミュニケーションや社会でのマナーのスキルで、
生活スキル(もしくはライフスキル)は、生活に必要なスキルです。
通常、障がいを持たない子供は、ソーシャルスキル、生活スキルの教材に
触れる機会はなかなかないと思いますが、私はこれらの教材は誰に取っても役立つものだと考えます。
生活スキルは、特に独り立ちをする時に大切になるので、高校生から大人になる頃に
集中的に勉強することが多いかと思います。
例えば、
・お金の管理の仕方
・銀行の使い方、役割
・クレジットカードの管理方法
・料理や選択など家事の仕方
・自分の健康管理
・冠婚葬祭
・仕事関連のスキル
などです。
このようなスキルは、学校では勉強できないこともあるので
大人として自立する前に教材を通して勉強するのはとても良いことだと思います。
発達障がいなどがないお子様にとっても良い教材なので、ぜひご検討ください。
私はセッション中、お子様の自主性や考える力を育てるために、あえて知らないふり、わからないふりをすることがあります。
「さっきの答えは何だったかなぁ?」
「どうして上手くいかないんだろう?」
「どうしたら良いと思う?」
「今日はどんなことをしたの?」
お子様にこのような質問を投げかける時、そのお子様ではなく、近くにいる年上の兄弟や保護者の方が代わりに答えてしまうことがあります。
「今日は●●したんだよね。」
「●●だよー!」
「●●が間違ってるんだよね。」
ほとんどの場合、兄弟や保護者の方は、セッションや私の手伝いをするために善意から代わりに答えてくださっているのですが、他の人が代わりに答えてしまうと、私が質問している相手のお子様が自分で考えたり、自分の言葉で表現する機会が減ってしまいます。
話すことが苦手なお子様ほど、なかなか思いが言葉にならず、答えるのに何分もかかってしまうことがあります。指導内容によっては、私は何分も何十分待ってでも、お子様が自分の答えを出すまで辛抱強く待つのですが、周りの家族がそれに耐え切れず、代わりに答えてしまうことがあります。お子様を応援したい気持ちから、答えが出るまでの「間」を待てない気持ち、もどかしい気持ちはわかるのですが、その「間」、辛抱がお子様の自主性を育てる機会になる場合も多いので、周囲の方も一緒にその「間」に耐えてもらえたら嬉しいです。
ある日のセッション、お母様から明日までに提出の宿題があり、わからない点があるのでお子様と一緒にやって欲しいと頼まれました。お子様もとても困っている様子でしたので、私は一緒に宿題を始め、何とかセッション時間内に終わらせました。
実はそのセッションには、別の指導内容を準備していました。ですが、宿題が明日提出ということと、お子様もお母様も、その宿題に関してとてもストレスを感じていたため、その状態で別の指導内容を進めても宿題の事が頭から離れないだろうと判断し、宿題をすることにしました。
宿題の内容が教育療法の指導内容と重複するトピックの場合もあり、また宿題を通して指導できることもあるので、教育療法のセッションに宿題をすることは悪いことではないと思います。ただ、それが習慣化してしまうと、教育療法士が本来の役割を果たすことは難しくなります。なぜなら、宿題は期限があり、どうしてもそれを終わらせることが第一優先になります。セッションの時間が一時間に限られていて、期日も迫っている場合、わからない点を教えることよりも、宿題を最後まで終わらせることが優先になってしまう可能性が高いです。
本来、教育療法は、子供が行き詰っている点と習得すべきスキルを見出し、それを集中的に指導することが目的です。宿題は、クラスの生徒全員に対して出ているものなので、その子供に合った課題が出ているとは限りません。そのため、宿題ばかりをやると、個別指導ではなくなり、学校の集団指導の延長になってしまいます。
どうしてもセッションで宿題をやりたい場合は、余裕を持ったスケジュールで行うこと、あらかじめ宿題について前もって伝えることをお勧めします。時間に余裕があれば、行き詰っている点を徹底して指導する時間も生まれ、教育療法の指導内容と重複させて指導するよう、計画を立てることもできます。
ただ、ほとんどの宿題が明日まで、など期日が迫っているものなので、なかなか難しいのではないかと思います。その場合、「教育療法士の先生が来るから、その時にやればいいわ」と言って、宿題を始めるのを後回しにするよりは、できる問題に関してはあらかじめ終わらせて、どうしてもわからなかった問題だけを質問する方が、はるかに効率は良いと思います。
宿題や課題は、もらったらすぐに始めること、いつまでにどれくらい終わらせたら良いか計画をもって進めることが鍵となります。
幸いなことに、普段からたくさんの保護者の方から、お子様の教育についてご相談を受けます。現地校とのやり取りや学校選び、進路や習い事、兄弟関係についてなど、ご相談内容は様々ですが、一番多いのは「自分から勉強しない」、「勉強する習慣がない」というお悩みです。
そのような場合、ご家庭の環境やお子様と家族のスケジュール、学校・家庭でのご様子、習い事に対する態度など、全般的にじっくりお話を聞いてご相談に乗ります。その際にいつも感じることは、ご家族のサポートがあるかないかが大きく影響するということです。
誤解がないようにご説明すると、ご家族が家庭学習のスケジュール管理をするとか、お父様やお母様がいつも宿題をみるべきとか、そういった意味ではありません。あくまでもお子様の自主性を育てることが一番大切だと思います。
ただ、家庭教師や教育療法士といっても、通常は週に1〜2時間ほどしかお子様と接する時間がないため、毎日接しているご家族のサポートがお子様の成長に大きく影響すると思います。例えば、普段どんな宿題が出ているのか、お友達関係はどうなのか、毎日どんな様子なのかを見ていただき、気になる点があれば、家庭教師や教育療法士、担任の先生などに情報共有してくださることが大事だと考えます。またお子様が家族に対して、気軽に何でも話せる空気や時間があることが大事です。
私自身が、保護者の方から教えていただいて参考になった情報の例を挙げると、「先日担任の先生から連絡があり、算数の授業中わからない問題があって泣き出してしまったそうです」、「学校で友達ともめ事があったようです。今まではそのようなことは全くありませんでした」、「授業中積極的に発言するようになったようです」、「最近小さい子の面倒をよく見るようになりました」、などです。保護者の方が気になった点を教えていただく際、私のセッションでも同じような傾向があったか、何か気づいたことがあったらお伝えします。そのような日常の情報交換は重要で、指導内容や指導方法の参考にしています。
共働きのご家庭や兄弟が多いご家庭など、普段なかなかお子様とゆっくり話す時間がないご家庭もあると思います。その場合でも、車での送り迎えの間に学校生活や友達について質問したり、生活の中で何か気になったことがあったら、「最近~はどう?」など、本人が安心して話せる状況下で質問していただけると助かります。またお子様が自分から何かを話し出した時、一旦他の作業をやめて、お子様に集中して耳を傾ける、もしくは時間を作ってキリが良いタイミングに話す約束をする、などしていただくと、お子様も少しずつ自分のことを話してくれるようになると思います。
親として、子供が抱えている問題のすべてに正解を出す必要はなく、どちらかというと正しい答えを出すことより、じっくりと偏見を持たずに耳を傾けてあげることが大事です。また学校のことや友達関係のことなど、子供が話してくれた内容で、イマイチわからない部分があっても、「お母さんわからないから、~に言って」とさじを投げずに、わかる範囲で最後まで聞いてあげると良いと思います。
もう一つ、家族ができるサポートとして、情報収集があると思います。教育療法士など子供の助けになる専門家を探す、子供に合った習い事、学校やプログラムを探すなど、調べることはたくさんあります。保護者の横のつながりで、他のお父さん、お母さんから同じような悩みの解決方法を聞く、なども有効です。普段から、そういう情報にアンテナを張っていると、子供の役に立つ情報が入りやすくなります。せっかく集めた情報が役立たないこともありますが、経験の少ない子供にとって、周りからたくさんの情報をもらえることは、世界観が広がり、選択肢が増えるといった点で良いことだと思います。
最後に何より、家族自身がお手本となることが最大のサポートです。整理整頓が苦手なお子様がいたら、家の大掃除の時に、どのような基準でどういう順番で掃除をするのか、わかりやすく説明しながら、自身がお手本を見せ、子供と一緒に掃除する。読書する習慣がないお子様がいたら、家族でテレビ、パソコン、携帯電話などを一切使わない時間帯を決め、その時間はみんなで読書する。料理をする時に、お子様と一緒にレシピに沿って必要な材料を確認し、材料がそろったらチェックマークを付けていく。途中で工程がわからなくなったら、もう一度レシピを見直すなど、何気ない生活の一コマの中で、学習に必要な管理能力、問題解決能力を養うことができます。
毎日お子様と一緒に過ごしているご家族だからこそ、専門知識がなくてもできることはたくさんあります。難しく考えず、お子様の力になっていただけたら幸いです。
一口に「アセスメント」といっても、その目的や評価方法、テスト方法などによって種類が異なります。
アセスメントを受ける時は、まずその目的を考えてみてください。
<目的>
・学校や市町区村などから、サービスを受けるための資格を確認する
・勉強につまづいている理由を特定する
・全般的に学習能力を診断する
・同じ年齢の子供と能力を比較する
・自分に合った勉強方法を探す
・自己反省、自己認識をする、など
その他、下記のことを考慮してみてください。
・いつまでに結果が必要か
・予算はどれくらいか
・どのような頻度でアセスメントを受けたいか
・アセスメントの所要時間
できれば、目的に合わせてどんなアセスメントの種類があり、
それぞれの評価方法、テスト方法、結果の違いを理解している専門家に相談するのが理想的です。
教育療法士へのご相談内容は、多岐に渡ります。
具体的な相談例は、下記の通りです。
・文章読解が苦手で困っている
・作文が苦手で困っている
・友達や学校での人間関係に悩んでいる
・子供の個性を伸ばす方法がわからない
・子供との接し方がわからない
・親の海外転勤が決まり、子供の教育について悩んでいる
・家庭教育に悩んでいる
・帰国子女で悩んでいる
・コミュニケーション力を伸ばしたい
・ソーシャルスキルを教えて欲しい
・子供の問題行動に悩んでいる
・集中できない、多動性がある
通常は、初回1時間の無料コンサルテーションを行い、
2回目以降(もしくは1時間以上)のコンサルテーションは有料とさせて頂いております。
コンサルテーションの前にクライアント情報記入用紙にご記入頂き、
学校の成績表、担任の先生からのコメント、他の専門家によるアセスメント結果、
学力診断の結果などを拝見します。
なるべく細かい情報があればあるほど、ご提案できる内容も具体的になります。
またご本人が同伴されるかどうかは、ご相談者(クライアント)にお任せしています。
中学生、高校生以上の場合は、保護者と別にお話をお伺いすることもあります。
スカイプのビデオ電話によるコンサルテーションも行っておりますので
直接オフィスに来るのが難しい方もご利用頂けます。