なんだか、暑すぎないか?私のような生物屋あがりには、昨今は奇異に映る

事ばかりだ。昔はいなかった南方系の動植物はやたら増えたし、日中、極端に

蚊に遭遇しなくなったのもそうだし、セミの鳴き声も余り聞かなくなったよう

に思う。いや、正確には鳴いてはいるのだが、朝夕の涼しくなった一時だった

り、森の中だけだったり。日中暑すぎる市街地は避けているようなのだ。

絶対数が少なくなったうえに、彼らなりの過ごしやすいところに生活拠点を

移している、という感じか。

で、調べてみたら、セミは高温になると、羽化に失敗するらしい。

で、夏期講習の合間、昼飯を食べに行く途中、森林公園に立ち寄ってみた。

すると・・・・地面あたりから、消え入りそうな蝉の声が・・・・・

 

よくよく見ると、まさに羽化に失敗した蝉が死にそうになっていた。

(この時はカメラを持っていなかったので、初めてスマホで写真を撮ってみた。

なんだ、結構よく写るではないですか。)

とても蝉の成虫は育てる自信がなかったので、可哀そうだが、木の幹に

つけてきた。何度も落ちてしまうので、木の枝の股のところに置いてくるしかなかった。

ほどなくして、死んでしまうであろう。何年もこの一時の時期のために地中に暮らして

その頂点を極める刹那、このようなことになってしまうのはつらいだろうなあ。

 

この蝉が高温障害のためにこうなったかどうかは確信が持てないが、少なくとも

蝉の活動時間や活動場所が高温帯域を避けている以上、何らかの影響を与えている

のは間違いあるまい。 この急激な高温化は、今後生物たちにどのような影響を

与えていくのだろうか・・・・(もしかしたら、セミ類は成虫時期を夏から移動

させるかもしれないなあ。)