先ほど、大学受験生から電話。「先生!茨城大学農学部に受かりました!」

 

良かった。本当に良かった。 彼の事は中1からずっと勉強を見て来た。

非常に個性的な奴で、好きな事には能力を発揮するけど、嫌いな事

は絶対に嫌なタイプ。対人関係はあまり得意ではなく、営業職なんて

絶対に無理。事務とか会計なんかの仕事をしているところなど想像も

できない。

 

「将来、彼が食べていくには何が最適な仕事なのか」

老婆心ながらいつも気にかけていた。

 

さて、大げさではなく、世界はいまだかつてない大転換期を迎えている。

AIの進歩は驚異的で、かなりの数の職種が奪われていくだろう。

おそらく、5年もたてば、電話口の相手が人間かAIか判別できなくなる。

これは電話でなんとかなる仕事は淘汰されかねないことを意味する。

また温暖化は、もう止めようもなく、今後食糧事情に大きな影響を

与えることは必至である。

 

で、ことあるごとに勉強の合間に将来の話をした。温暖化が進むと、

農地転換が一気にすすむ。「みかん」が北海道で収穫される事態も起こりえる。

見たこともないような南方の農作物も、どんどん栽培されて行くだろう。

また、熱さに耐えられるように、品種改良もどんどん行われることだろう。

このような話だ。

 

で、「農業」など、どうだろう?という話になったのだ。おそらく、「AI」とも良き

協力関係を結べるはずだ。温暖化に適応した農産物予測、品種改良予測

等は、まさしくAIの独壇場だが、予測を現実化する実際の作業は、人間が

行わなければ無理だからだ。また、その結果を実際に農家の方々に広く

指導していく、というAIには不得手な仕事が膨大に発生するはずだ。

 

彼は、今日、自分で選んだ未来への第一歩を踏み出したのだ。

彼の今後の未来に、幸多からんことを切に願う。