9日土曜、花見の予定があったのですが、本当に久々に「新月」付近で
「晴天」という星見に絶好の条件になり、こちらを優先させてしまいました。
関係者各位、すみません。しかし、望遠鏡をリニューアルしてから、ほとんど
半年近く、星を見ていないのです。6月は梅雨入り、を考えると、これを逃す
わけには行かないと、「星屋」の端くれである私は考えたのであります。
花見を期待していた方、ごめんなさい。

でも、土曜日山にでかけてしまった場合、桜のライトアップはどうする?
たとえ、かなり散った状態であっても、ご近所さんはきっと期待して夜桜
見物に来るかもしれぬ。

で、行く前に義務は果たさねば、と、ライトアップ自動化作戦決行!

ライトアップ自動化2
まず、新たに50WLED投光器2台を投下。これで計6台になりましたぜ。
各々別電源になっていたものを、すべて単一電源に配線し直す。そして、
その配線元に、昔使っていた電源タイマーを仕込むことにした。これで
全6台の投光器が、午後6時にいっせいに点灯し、午前1時に勝手に
消灯してくれる。さあ、準備は万全。これで心置きなく山に星を見に行けるぞっと!

ライトアップ自動化1

ロボット教室があったので、出発は午後1時になってしまったが、なんとか
現地(栃木県矢板市八方ヶ原)に午後6時に到着。新月近くの細~い三日月
が沈みかかっているのがわかるでしょうか?右端のでかいのが僕に自慢の
自作望遠鏡。重量100キロ。



で、望遠鏡の組み立て、調整を終えるといつもの様に夕食。
最近はほぼ定番で「モツ鍋」
今日は、モツを別買いして、いつもより2倍モツが入ってますよ。

モツ鍋

で、この夜は12時までは薄曇があったけど、深夜12時過ぎになると、完璧
な「ど快晴」。シーイング(空気の状態)も最高で、高倍率も思いっきり出せた。
たぶん、この望遠鏡46センチの口径分の能力は100パーセント引き出せた。
興味本位に木星などを双眼で見たが、そこには探査衛星からの映像を彷彿
させる景色が広がっていた・・・・木星のシマシマ模様が濃い。

その後は、本来見るはずだった星雲星団などを片っ端から見まくった。
圧巻はヘルクレス座のM13だったかな。これは北半球から見える最大の
球状星団なのだが、中心まで完全に分解し、双眼高倍率もあいまって、
まるで宇宙空間にぽっかり浮いているボールのように見えた。この望遠鏡が
撮影用ではないので写真をお見せできないのが残念。ちょうどこんな感じに見える。
(これは僕の望遠鏡で撮ったものではありません。けど、これをもう少し暗く、だけど、
もっと大きくした感じで見えます。この写真は中心が真っ白く飛んでしまって
いるけど、僕の望遠鏡ではそんなことはなく、中心まで完全に分解して見えます。)
このつぶつぶ一つ一つが太陽と同じ恒星ですよ。その太陽が数十万個集まって
ボールになっているのです。

M13
周りに天体撮影派がたくさん居たけど、いくつか見せてあげたら感動して
いたなぁ。「やっぱり眼視が最高ですね。この重い機材を常に持ち運べるの
なら。」と。こいつは、僕が観望のたびに、常にこの機材を運搬し続けている
ことを知らないようだ。伊達に毎日筋力トレーニングはやっていないのだった。

で、本当に久しぶりに星を堪能して3時に眠りにつく。
で、翌朝望遠鏡を片付け、近くの山小屋でコーヒーを頂く。うっまぁ~♪

朝の珈琲
山を降りる途中、栃木の田舎の風景。桜の向こうは田んぼだ。
こういう景色もいいなぁ。

栃木矢板の風景
途中、なにやら木材が積み上げられていた。

木材1
反対側にも。

木材2
なんなんだろう。間伐材かな。

木材3
これ、年輪を数えたら、100本近く。つまり樹齢100年に迫るのだ。
営林、というのは、100年の先を見据えた仕事なのだなぁ。

年輪

日本は明治、大正と植林をしまくったけど、結局安い輸入外材に押されて
山は放置され尽くしてしまった。で、結果、細い材木がそのまま密に育ち
土壌を凝集する力もなく、土砂崩れ山崩れの多発を引き起こすことになった
のだ。最近は、その細い木材も枯れ始め、竹の繁茂が爆発的に進んでいる。

今後、日本の山林はどーなってしまうのだろう。

さて、帰り道、柏近くの「利根運河」で寄り道。
向こうに止まっているのが僕の車。車の向こうが「運河」だ。
車からおりて、ちょっっと大師堂にお参りしてから撮影。



で、利根運河。今の時期、菜の花の匂いでくらくらする。
春の匂いだね。

利根運河

ベニシジミ蝶だ。近づいたら逃げてしまった。(で小さくしか撮れなかった。)
本当に春だね。(というか、今日は夏日に近かった。)

ベニシジミ

ちょっと歩くと桜なども。ああ、これはサイモンとガーファンクルの
「Old Friends」だね。



ああ、素晴らしい2日だった。しばらく星を見なくても大丈夫、かも?