で、いよいよ只見線。

只見線
車内はこんなかんじ。ボックスはみんな鉄ちゃんが一人ずつ
占領している。日本には鉄ちゃんが大量に生息していそうだ。

車内
途中の景色。谷底の渓流が凄いね。昔の人はよくこんなところに
鉄道を通したね。

おお、深い谷底

先ほどの会津若松駅で乗車前に買った駅弁「会津蔵出し弁当」
1200円。入れ物が綺麗だよね。


蓋を開けると・・・・・おお、美しい。その上大変うまそうですな。

一段目
二段目は・・・・・これもまたうまそうな栗ご飯。

二段目
ええ、私はビール飲み飲み、一つづつじ~くり味わって食べましたとも。
なんといっても目的地までまだまだ一時間半もあるのだから。
この時、何やら人の視線を感じたのだが・・・・隣のボックスをみると
二人連れの若い女性が座っていて、興味津々の目つきでこちら
を伺っているような気がした。いやいや、いつもの気のせいだろう。
こんな妙齢で綺麗な方々が、こんなオヤジに関心など持つはずがない。
私は気にせず、お弁当の一品一品を吟味するように食べ続けていった
のだった。「うんうん、いい塩梅である。」とか、「これはいったん干して
戻したものか。」とか、思いながら。
さて、とうとう、目的地の早戸駅に到着。降りた後、出発する列車を撮ろうと
カメラを向けると・・・・なんと、さっきの女性たちが一生懸命私に手を振って
くれているではないか。(この写真左から3窓め。ちょっとわからないか。)
思わず、私も渾身の力を込めて手を降りかえしてしまいました。
やっぱり中年オヤジがうんうん一人唸りながら駅弁を食べたり撮ったり
していたのは、車内の注目を浴びていたのかもしれないね。
最初、思わず我がズボンを見てしまいましたよ。チャックはちゃんと閉まっていて
安心しましが・・・・・

で、やっと早戸に到着
だけど、この事は僕にずっと昔の事を思い出させてくれたね。
もう10年以上前になるか。その時も一人旅をしていたのだけど、
夕暮れ時、やはり僕はローカル線に乗っていた。車窓の風景は
黄金色に染まって、それは綺麗だったね。小さな踏切を通過する
直前、そこに、いかつい顔をした、がっしりした長身のご老人が、
お孫さんと思しき小さな娘を連れて立っているのが見えた。すると
その娘は、いきなりこちらの列車に向かって手を降りだしたのだ。
なんだか、僕は、無視したらその娘が悲しむような気がして、
車内を気にせず、反射的に思いっきり手を振り返したのですよ。
すると・・・・その娘は嬉しそうな顔をして、より一層大きく手を振ってくれた。
次の瞬間、なんと、そのいかつい顔をしたおじいちゃんの顔が満面の笑み
になって、深く、深く、私に向かって会釈してくれたのだった。その黄金色の
流れ行く美しい車窓の景色は、今でも脳裏に強く焼き付いている。本当に
「例の走馬灯」があるとすれば、きっと僕の走馬灯には現れる景色の1つ
に違いない。

今回は、列車の中と外、攻守ところを変えて手を振り合ったのであった。
まさか、あの時の孫娘の成長した姿ではあるまいな。

で、ここが早戸駅。

早戸駅
ホームの前を只見川が流れている。ローカル色、極まっているね。

ホーム前の只見川
続く