写真は現在ポラリスにある最大口径46センチの自作望遠鏡である。僕が
26年前に制作したものだ。当時は個人所有においてはこれほど
大きな望遠鏡はあまりなく、地方で開催されていた星祭りでは
ひっぱりだこであった。現在もばりばり現役でブログに書いてある
ように年に5~6回は山に持って行って星を見ている。
しかし、流石に寄る年波には勝てず、いろいろな不具合が生じて
来たのだった。
まず、光学面。巨大な超高精度反射鏡を使っているのだが、その
鏡のメッキが劣化し始めた。
そしてもう一つは、メカニック面。目標天体を導入するのに、エンコーダー
という「角度検出器」を使ってデジタル表示をしているのだが、これが
狂い始めたのだ。
今回は、この2点を中心に、26年ぶりの大改修を行うことにしたの
だった。
ちょっとでもなにか力が加わると、すぐに歪んで焦点に綺麗な象を
作れなくなる。その鏡の変形を防ぐ、というのが反射望遠鏡の開発の歴史
の重要な1つだったのだ。そのため、この反射鏡は、18点のパッドが鏡に
直接接着されて、それぞれある程度自由度がある。その上で、それぞれが
重心をとるように設計されているため、鏡はほとんどたわまない。
アメリカ製だが、彼ららしい素晴らしい合理的設計がなされている。
支持しているから「18点支持セル」という。そして実はこのセルは、注文しな
かったのに、鏡を購入した時についてきた。というか・・・・・鏡に接着して
あったのだ。アメリカ人の輸入業者は、「北川サ~ン、スバラシイ『セル』、
格安デオツケシマス。セル代金ハ、プラス45,000円デイイヨ。」
と強引に押し売りに出た。私は「セルは私が自作します。設計もしています。
だから鏡だけでけっこうです。鏡だけの値段で販売してください。」と
言ったのだが・・・・「ス、スバラシイ『セル』ネ、絶対北川サン気ニイルト思ウヨ」
と引き下がらない。「自分で作るんだってば!」とちょっと語気を強めると・・・
「ゴメンナサイ、実ハ最初カラ接着剤デクッツイテハガレナカッタノデス。
超強力接着剤ミタイデ、私ガ何ヲシテモハガレマセ~ン。北川サン、コノママ
買ッテ、買ッテチョウダイ!セル代金ハ格安ニスルカラ買ッテチョウダ~イ!」
という曰くつきのものだった・・・・・
で、ちゃんとセルごと買ってあげたのだが、ハイパワーの屈強アメリカ人が渾身の
力を込めても剥がれなかった接着剤を、今再メッキのために、私が剥がさな
ければならない。ううううう。
※再メッキは、基本的に「反射鏡」だけをメッキ会社に送らなければ再メッキ
してくれないのです。
続く
26年前に制作したものだ。当時は個人所有においてはこれほど
大きな望遠鏡はあまりなく、地方で開催されていた星祭りでは
ひっぱりだこであった。現在もばりばり現役でブログに書いてある
ように年に5~6回は山に持って行って星を見ている。
しかし、流石に寄る年波には勝てず、いろいろな不具合が生じて
来たのだった。
まず、光学面。巨大な超高精度反射鏡を使っているのだが、その
鏡のメッキが劣化し始めた。
そしてもう一つは、メカニック面。目標天体を導入するのに、エンコーダー
という「角度検出器」を使ってデジタル表示をしているのだが、これが
狂い始めたのだ。
今回は、この2点を中心に、26年ぶりの大改修を行うことにしたの
だった。
まず、これが46センチ主鏡。光の波長の1/10という精度で
できている。これほどの高精度は公共天文台でも稀だ。
しかし、見てわかるように、メッキはハゲ、クモリが生じてきて
いる。大きさがわかるようにライターをおいてある。燃やそうと
しているのではない。
ちょっとでもなにか力が加わると、すぐに歪んで焦点に綺麗な象を
作れなくなる。その鏡の変形を防ぐ、というのが反射望遠鏡の開発の歴史
の重要な1つだったのだ。そのため、この反射鏡は、18点のパッドが鏡に
直接接着されて、それぞれある程度自由度がある。その上で、それぞれが
重心をとるように設計されているため、鏡はほとんどたわまない。
アメリカ製だが、彼ららしい素晴らしい合理的設計がなされている。
※ パッドは正三角形の金属板それぞれに3つついていて、
みな鏡の裏面に弾性接着剤で取り付いている。絶対に鏡に
負荷をかけないように設計されているのだ。
支持しているから「18点支持セル」という。そして実はこのセルは、注文しな
かったのに、鏡を購入した時についてきた。というか・・・・・鏡に接着して
あったのだ。アメリカ人の輸入業者は、「北川サ~ン、スバラシイ『セル』、
格安デオツケシマス。セル代金ハ、プラス45,000円デイイヨ。」
と強引に押し売りに出た。私は「セルは私が自作します。設計もしています。
だから鏡だけでけっこうです。鏡だけの値段で販売してください。」と
言ったのだが・・・・「ス、スバラシイ『セル』ネ、絶対北川サン気ニイルト思ウヨ」
と引き下がらない。「自分で作るんだってば!」とちょっと語気を強めると・・・
「ゴメンナサイ、実ハ最初カラ接着剤デクッツイテハガレナカッタノデス。
超強力接着剤ミタイデ、私ガ何ヲシテモハガレマセ~ン。北川サン、コノママ
買ッテ、買ッテチョウダイ!セル代金ハ格安ニスルカラ買ッテチョウダ~イ!」
という曰くつきのものだった・・・・・
で、ちゃんとセルごと買ってあげたのだが、ハイパワーの屈強アメリカ人が渾身の
力を込めても剥がれなかった接着剤を、今再メッキのために、私が剥がさな
ければならない。ううううう。
※再メッキは、基本的に「反射鏡」だけをメッキ会社に送らなければ再メッキ
してくれないのです。
続く