さて、地球生物には、少なくとも大きな試練が5回訪れたことに
なっている。推定の域を出ないが、原因は「大隕石の衝突」
や「地球内部の変動による極端な環境変化」や「近くの天体の
爆発」ではないか、と言われている。
とにかく、我が地球生物は、5回の大量絶滅をなんとか生き延び
現代に至っているわけだ。(この5回をビックファイブと呼ぶ)

絶滅
その第一回目の大量絶滅は古生代の「オルドビス紀大絶命」
カンブリア大爆発後、突然大反映を始めた初期生物たちを
それは襲った。この時、全生物種の85%が死に絶えた。

オルドビス紀大絶滅
で、その前後に反映していたのが、有名は三葉虫。
発掘化石数、ダントツナンバーワンの生物である。
当時の海は、ほとんどこいつらで埋め尽くされていたと
思われる。生物史上、初めてきちんとした「複眼」を手に入れた
生物と言われている。ちなみに、この生物、現在のダンゴムシ
やダイオウグソクムシに似ているが、あまり近い種ではない。
かえって、「クモ」の方が種としては近い、と言われている。

三葉虫の群れ
また、巨大化した節足動物「ウミサソリ」
現在の陸上の「サソリ」よりどちらかと言えば「カブトガニ」に近い種。
大きさは2m以上に
なった。現在に至るまで、節足動物史上、最大を
誇る。

ウミサソリ
こんなのが泳いでいたんだね。

ウミサソリ2

で、それを襲う当時の海の帝王「ダンクルオステウス」。
体長6~10mはあった。

ウミサソリを襲うダンクルオステウス
顔中、鎧のような硬い板に覆われていた。だから化石として残っている。
板のような外骨格から、「板皮類」とい命名されている。(現在絶滅)
おそらく、こいつにかかればホオジロザメも可愛く見える。
海でダイビング中に出会ったら、これ以上恐怖の体験はないだろうね。

ダンクルオステウス
これはウィキペディアの写真だけど、顔の化石。あまりに凄くて
もう現実の動物ではなく、漫画みたいだ。ただ、頭以外の尾まで
の部分は柔らかい組織だったようで、化石は残っていない。だから
尾っぽがどうなっていたかは本当はまだわかっていない。
しかし・・・・・あのカンブリア時代には、ほんの数センチで、他の
生き物から逃げ回っていただろう脊椎動物の始祖、「ピカイア」が
ほんの数億年で、こんな「大怪獣」になっちゃうんだよ。
生物は、「水」に例えられる。コップに入れると、そのコップにあった
形になる水。生き物も同じだ。なにか環境があれば、いつの間にか
その環境にピッタリした形態に進化している。あのナメクジのような
ミミズのような「ピカイア」は、太古の海の中で、当時空いてた食物
連鎖の頂点にピッタリあった形態になったのだ。

ダンクルオステウス化石
このダンクルオステウスを代表とする「板皮類」は次の「デボン紀絶滅」
を生き残ることはできなかった。
で、生き残ったのは、硬い骨を持った硬骨魚類(今の魚とほとんど同じ)
と肉鰭類(丈夫なヒレを持った仲間)とかだった。硬骨魚類は現在の普通
の魚になったけど、丈夫なヒレをもった肉鰭類の連中の一部は、ヒレを
手脚に変えて陸上に上陸して僕らのご先祖様になった。

普通の魚
これは当時の水辺から見つかった足あとの化石。
エラを脚に変えた、魚ともサンショウウオともいえない生き物が
当時の水辺を歩いた跡だね。そしてきっとこの生き物が私達に
連なっていくのだ。実はご先祖様たちが上陸を目指していた時、
すでに植物は上陸を果たして陸上を繁茂していたし、節足動物
も上陸して、いわゆる「虫達」もたくさんいたと思われる。我が
脊椎動物は上陸最後発だったんだ。

あしあと


上陸1

上陸2

この頃、三葉虫も多種多様になった。けど、結局は、古生代最後の大絶滅
「ペルム紀末の大絶滅」は生き残れなかった。この時の大絶滅は全地球の
生命の95%近くが絶滅した、と言われている。2億5千万年前のことである。
こうして5億4千万年前のカンブリアから始まった古生代は終わりを告げる
ことになるのだ。下は多種多様な三葉虫。

三葉虫3

三葉虫1

三葉虫2

三葉虫4
続く

※長くなってしまってごめんなさい。まあ、地球生物40億年の歴史だからね。
だけど、他の書くことも溜まりに溜まってしまったので、次回でなんとか終わらせます。
お許し下さい。