上野の国立科学博物館で、「生命大躍進展」をやっている
という。それも4日が最終日。大学で生物の進化系統を専門
にやっていた身としては、行きたい行きたいと思っていたが、
忙しさとアウトドアライフの狭間で、とうとう最終日になってしまった。

その上、午後2時から塾関係の学習会がある。というわけで、
午前10時より、午後1時まで3時間だけ、ゴーインに行ってしまう
ことにしたのだった。

生命大躍進展
いや~、さすがに最終日、混んでます。最高に混んでます。

大混雑
さて、まず、生命誕生。37億年前の地層から、生命由来とみられる
炭素が発見されている。(ちなみに発見したのは日本人)
地球が誕生して45億年と言われているけど、意外にすぐに生命は
誕生した事になる。現在発見されているのが37億年が最古というだけ
で、おそらくもっと初期から、いや、地球が出来てすぐに生命は誕生
したのではないだろうか・・・・・一応、現在「40億年前くらいではないか」
と言われているけど、もっと前のような気がするなぁ。

さて、かなり初期の頃の生物の痕跡。「ストロマトライト」 初期の生命の化石、
というかもう岩だね。実は、こいつが、光合成を行って地球に酸素を創りだした生物
と言われている。

ストロマトライト
さて、生命が誕生してから、35億年くらい、実は生物はあまり進化しなかった
のではないか、と言われている。なにせ、単細胞生物しか化石がでないのだ。
それが、ある時突然、だいたい、今から6億年前に生物は急激な進化を始める。
これが、「エディアカラ生物群」 単細胞微生物しかいなかった海が、突然、
多種多様な生物に満ち溢れる事になった。ただ、この時の生物が、実際に
どのように現在の生物に結びついているかのよくわかっていない。なにせ
ほとんど骨格がない生物たちで化石も残りにくいのだ。

進化上のあだ花のように、突然大量にでてきて、突然消えてしまったのだ。

エディアカラ生物群
それから、1億年くらいたってから、また突然生物たちが大進化を遂げる。
それが、かの有名な「カンブリア大爆発」である。ほぼ今から5億4千万年前の
出来事である。それまで数えられる程度の種数だった動物たちが、数百万年
という短期間(地球的には数百万年は一瞬の出来事である。)に一万種程度
まで増えたのだ!

カンブリア大爆発1

カンブリア大爆発2
この「カンブリア大爆発」の時、現代の動物すべての形態の基本
(ボディプラン)が発現したことになっている。イカもタコもミミズもカブトムシも
カニもライオンも鳥も、動物の原型は、この時期に突如出揃ったのだ。
まるで地球が、この後の生物たちの大勢を決めるための壮大な実験場
だった時代。実験した方が居たとしたら、まさに「造物主」だね。
もちろん、我々人類に通じる生物も誕生した。
それがこれ。

ご先祖様
ピカチュウ。ではなく、「ピカイア」という。ほんの数センチ。
なぜ、僕らに通じるかって?それは、この小さな生物が、背骨
に似た「脊索」を持っているから。そう、僕たちは背骨を持つ
脊椎動物と言われる生き物なのだ。このピカイア以前には、
脊椎や脊索をもった生物は地球に存在していない。(発見されて
いないだけかもしれないが)
脊椎動物の系譜は、これが魚類に進化し、両生類(カエルの仲間)
になって陸上進出し、そこから爬虫類や哺乳類になっていった。
その哺乳類のうちの、ほんの一派、猿の仲間から、僕ら人類は
生まれたのだ。

ピカイア
さて、このカンブリア時代の不思議な生き物の数々。御覧ください。

変な生き物たち

変な生き物たち2
特におもしろそうなのを個別に紹介しましょう。
変な生きもん1 このバナナみたいな化石はなんだ?
バナナみたいなの
これは「オットイア」 まるでナマコみたいだね。

オットイア
変なの2

変なの2
これは「ウィワクシア」というのだそうな。背中の飾りはなんだろね。

ウィワクシア
極めつけはこれ。

変なの3
「ハルキゲニア」かなり長い間、背中か腹かもわからなかった。
このトゲトゲは実を守るためかなぁ。

ハルキゲニア
そして、この時代、生物はすべて海にいたのだが、その海で
最強の生物はこれ。「アノマロカリス」だ。体長80センチはは
あったようだよ。完全に肉食で、さしずめ現代のサメかシャチ。
陸上ならライオンみたいな生き物だね。

アノマロカリス1

アノマロカリス2
続く