「エボラ出血熱」
もうこの名を知らない者はいないだろう。
かつて人類は何度も感染症の猛威にさらされてきた。
14世紀のペストの世界的大流行は、当時の世界の人口を
半減させたと言われている。第一次世界大戦のさなかに流行
したスペインかぜは、当時の全人類の3割が罹り、5千万人
~1億人が死亡した。これは当時の世界人口の1/20~1/30
程度にあたる。
1981年に初めて患者が報告されたエイズは、瞬く間に世界を
席巻し、現在感染者は5千万人に達するといわれている。
つまり、現在、人類の140人に一人はエイズ患者なのである。
つまり、現在、人類の140人に一人はエイズ患者なのである。
こういった感染症の極めて大規模な流行をパンデミック(感染爆発)と言う。
そして今回のエボラ出血熱である。
エボラ出血熱は、エボラウイルスによって発症する。
ウイルスというのは、特定の生物に寄生することによって
初めて生存ができる不完全な生命体である。だから本来、寄生先の
生物(宿主)を殺すまで叩くことはしない。殺してしまっては自分の生存
先が無くなってしまうからだ。だから、通常、特定の生物の
なかでおとなしく共存しているものも多い。しかし、時々、何かの間違い
でまったく違った生物の体内に侵入してしまうことがある。これはまさに
出会いがしらの事故のようなものだ。勝手を知らない生物の体内で傍若
無人に暴れまわって最悪の場合死に至らしめてしまう。エボラ出血熱は
でまったく違った生物の体内に侵入してしまうことがある。これはまさに
出会いがしらの事故のようなものだ。勝手を知らない生物の体内で傍若
無人に暴れまわって最悪の場合死に至らしめてしまう。エボラ出血熱は
まさにこの典型例といえる。もともとはアフリカ奥地のコウモリの体内
にひそんで静かに共存していたようだ。それが何かのはずみに人間の
体内に入り込んだ、と言うことらしい。
体内に入り込んだ、と言うことらしい。
エボラウイルスに感染すると、2日から21日(通常1週間)で発症する。
体内に侵入するとまず人の免疫システムをターゲットにして撹乱し