春期講習も終わった。
夜の授業も終えて、教室の前で1人花見。
満開の桜に、雨が激しく降り注ぐ。
なんで、桜の花に、これだけ特別な想いを
抱くのだろうなぁ。
酔っ払った頭で考えるのだった。
たぶん、桜は、他の花と違い、見る者に
「時」を感じさせるのではないか、と思うのだ。
夜桜などを見ていると、風が凪いだ瞬間の
まったく静止した幾万の桜の花びらに「静止
した時間」を感じて、ちょっと背筋がぞくぞくした
りするのであった。
それなのに、満開から数日で、まるで静止していた
時間が動き出したかのようにあっというまに
散ってしまう。こんなに「時」を強烈に感じさせる
花は他にない。これが、また日本人の美意識に
マッチしているのかなぁ。
「時」とそのうつろい、そして儚さ。
来年もまた、呆けたように、桜を見ているのだろうな。

雨の桜