夏期講習やらなんやらと、いろんな事が続いてまったく休んでいない。ちょっとボロボロ。精神的にもかなりきつい。というわけで、久しぶりに映画を見に行ってきた。さて、オジサンが一人で観に行く映画ってなんでしょう?いや~呆れられるかもしれないけれど、こういう心身ともにボロボロの時には童心に戻ってスカッとする「怪獣映画」や「ロボット映画」なんですねぇ。で、なんと両方共兼ね備えた映画がやっていた!そう、「パシフィック・リム」だ!

となり町の「おおたかの森SC」でまだ「3D日本語吹き替え」でやっていった。もう封切りしてちょっとたつし、日本ではあんまり話題にならなかったから、今日が最終日だった。ギリギリセーフ。さて、ネタバレのあらすじは・・・・・
太平洋の海底から続々と「怪獣」(これ、「津波」みたいに英語でそのまま「Kaijyu」だった。)が現れ、大都市を壊滅させていく。もちろん人類もただ手を拱いているわけではなく、被害甚大な太平洋の国々が協力して「イェーガー」というロボット巨兵を多数つくり上げるのだ。最初はその力は圧倒的で怪獣たちを次々殲滅していくのだが・・・・・怪獣たちは後から後からより巨大化して現れ続ける。それも少しづつ進化しながら。イェーガーは次々スクラップとなっていき、人類は「巨大な壁」を作って閉じこもるしかなくなっていく・・・・・・
まず、ロボットを見ていて驚いたのは、その懐かしさだ。この主役イェーガー(ジプシー・デンジャー)が鉄人28号によく似ている。そしてその後のこの巨大ロボットたちに流れるバックボーンが、そのまま日本の操縦系巨大ロボットの歴史と一致しているのだ。鉄人から始まり、マジンガーZ、ガンダム、エヴァンゲリオンまで。いや、複数の人間の思考のリンクが操縦に必要なのは(ロボットではないが)「バロム1」とか「ザ・ムーン」の系列。国家別のロボットが競いあうように次々個性を見せつける、というのは、アトムの「史上最大のロボット」や「ギガンティック・フォーミュラ」の影響を感じる。ああ、何もかも全て懐かしい・・・・・そして敵役の「怪獣達」を見てまたまた驚いた。こりゃ、円谷だ。円谷怪獣の発展形だ。つまりなんだ。この映画は、日本が世界に誇る2大キワモノ世界である「巨大ロボット」系列と「怪獣」系列をすべて深化統合して世に問うたものなのだ!この映画監督、きっと日本を偏執狂的に愛している。偏執狂の素質のあった異国の少年は、日本のTVアニメと怪獣映画をずっと見続け、心に熱い憧憬を宿したまま大人になってしまったんだ。この映画は、興行収入とか、きっと全然頭になくて、「俺が一番好きなのは、日本の怪獣と巨大ロボットだ。好きなモノをごった煮して何が悪い!俺は自分が一番好きなものを作るのだ~」という感じ。見ていて作っている側の楽しさがビシビシ伝わってくる映画を久しぶりに見た。あと、脇役も光っていたな。最後に人類を救うことになる、二人の科学者。一人は数学系、一人は生物系。この二人がどっから見てもアスペなのだが、ふたりとも微妙にベクトルが違っていてお互いが相手を「マッドサイエンティスト」と思っている。けど、どっかふたりとも信頼しあっているところがあって、最後は本当に(シンクロ)して敵の情報をかすめ取り、人類の勝利に貢献する。実は人類の危機というのは、こういった人々の凡人を超えた常識にとらわれない「突破力」が必要なのではないのか。きっと監督はそれを言いたかったんだな。この監督もおそらくこの二人と同種の人間だからね。
いや~万人には決して薦めないけど久しぶりに「スカッ!」とする映画を見ましたわい。