辰巳芸者のお恵ねぇさんがやって来たのは、水戸の御老公のお供の奴が印籠を出して見得を切ってる時だった。
「あれ、なんだい御老公昔印籠出してるお供じゃないかい?」
「ねぇさん、お座敷は?」
「今日日、お座敷遊びするお大尽なんかいやしないよ、親父さん、一本つけておくんない」
「へぇ、つまみはこんなのどうです。舞茸のチーズ焼き」
「美味しいねぇ、舞茸のシャキシャキ感がたまらないねぇ」
「酒に合うでしょ」
「先に福田町の棟梁が来て仕事がねえなんてぼやいていたっけ、本当に不景気だね」
「うちも暇ですねぇ」
「親父さん、もう一本、それと中落ちカルビ焼いておくんない」
「お待ち」
「しかし、なんだね。お座敷あがんのは世間を騒がしてる政治家ばかりで、これから先日本はどうなっちまうのかね?」
「時でぇですよ、バブルのつけが回ってきちまった」
嫌だ、嫌だと酒を二本呑んでけぇって行った。
今の日本は腐っちまってる。
嫌な客にゃ酒をぶっかける粋なねぇさんのままでいておくんない。
今夜も冷えやがる、ひとりごちて暖簾に手をかける。
Android携帯からの投稿
「あれ、なんだい御老公昔印籠出してるお供じゃないかい?」
「ねぇさん、お座敷は?」
「今日日、お座敷遊びするお大尽なんかいやしないよ、親父さん、一本つけておくんない」
「へぇ、つまみはこんなのどうです。舞茸のチーズ焼き」
「美味しいねぇ、舞茸のシャキシャキ感がたまらないねぇ」
「酒に合うでしょ」
「先に福田町の棟梁が来て仕事がねえなんてぼやいていたっけ、本当に不景気だね」
「うちも暇ですねぇ」
「親父さん、もう一本、それと中落ちカルビ焼いておくんない」
「お待ち」
「しかし、なんだね。お座敷あがんのは世間を騒がしてる政治家ばかりで、これから先日本はどうなっちまうのかね?」
「時でぇですよ、バブルのつけが回ってきちまった」
嫌だ、嫌だと酒を二本呑んでけぇって行った。
今の日本は腐っちまってる。
嫌な客にゃ酒をぶっかける粋なねぇさんのままでいておくんない。
今夜も冷えやがる、ひとりごちて暖簾に手をかける。
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