冬の坂道で | エドリス

冬の坂道で

会社の帰り、私が坂道を登っていると自転車に乗った女が怒鳴りながら降りてきた。


「てめぇ、いい加減にしろ!あとで殴ってやるからな。覚えてろこの馬鹿餓鬼!」

女は鬼のように怒り狂い、人が振り返るほど語気が荒かった。

女が行き過ぎてから、小学校4,5年くらいの女の子が足早に後を追って駆け抜けた。
多分、女の娘だろう。

女の子の顔は切なさと恥じらいで強張っていた。


これが虐待というものだろうか。

女の言葉は躾のレベルを超えて、怒りと憎しみが猛々しく燃え盛っていた。

もし家庭が安らぎと信頼の場所でなかったとしたら…

あの子は毎日どんな気持ちで過ごしているんだろうか。