クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ 栄光のヤキニクロード。 | 江戸の杓子丸

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「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ 栄光のヤキニクロード」

88分 日  2003年

監督 水島努

製作 山川順一 和田泰 福吉健
原作 臼井儀人
脚本 水島努 原恵一
音楽 荒川敏行 浜口史郎
撮影 梅田俊之
出演 矢島晶子 ならはしみき 藤原啓治 こおろぎさとみ
    真柴摩利 石塚運昇 石丸博也 皆川純子 ほか



【完全ネタバレ】


遊びすぎ(笑)。☆☆☆★★


〔ストーリー〕
 今朝の野原家は朝食がいつも以上に貧相で、しんのすけもご機嫌斜め。でも夕飯は最高級焼肉と聞いて、しんのすけは打って変わって大はしゃぎ。
 
 ところがその時突然、白衣のおじさん が野原家に入って来た。
その直後、今度は恐そうなおじさんが乗り込んで来て白衣のおじさんを捕まえてしまう。
そして、野原一家に向かって、白衣のおじさんから受け取ったものを渡せと凄む。
 
 やがて、野原一家は自分たちが指名手配されていることをテレビで知るのだったが…。



劇場映画第11作目。

監督が原恵一から水島努へ、脚本は共著。


今作からデジタル制作になっている。
う~ん、色はきれいなんだけど、デジタル制作のアニメって未だにちょっと苦手。

背景のきれいさとかディフュージョン効果とか、画面全体のクオリティは今の方がはるかに上なんだろうけど。


ものすごい力技の今作品。

劇場版「クレヨンしんちゃん」はシリーズを通して物語り方はほぼ一緒で、前フリがありタイトル、そしてクレイアニメのオープニングクレジットと流れるんだけど、今回はオープニング・クレジット、タイトルがさきにあり、後は本編がノンストップで突っ走る。


ストーリーはほぼない(笑)

物語は始まってすぐチェイスとなり、その8割はず~と追っかけっこ(笑)

タイトルの後、すぐ突然高いテンションで野原一家が口論を始め、そのテンションをキープしつつ
ぴしゃりとシメた、といった印象。

言ってしまえば、ドッタバタのしんちゃん版「逃亡者(1993)」。


野原一家は、熱海に本部を置く「スウィートボーイズ」という組織の陰謀に巻き込まれ逃げ回っていたが、正面衝突するため
一転アジトである熱海を目指す事に・・・。

「スウィートボーイズ」のボスは元々熱海を愛する男で、温泉を経営していたが倒産してしまう。

熱海に裏切られたと逆恨みしたボスは、自身の兄が発明した「催眠増幅装置 熱海サイ子」を使い、自分自身が熱海になるという陰謀を企てたのだった。

「熱海サイ子」を起動するには野原一家の声が必要なので、追われていたというワケ。

陰謀の規模がなんともローカルで笑えるし、どうでもいい感じ(笑)


とにかく、子供たちによそ見をさせてたまるかという、まくし立てるような88分。

アニメーターの喜びは、絵をまるで生きているかのように動かす事なのだろうから、この映画に関わったアニメーターたちは四苦八苦しながらも嬉々として臨んだんじゃないかなぁ、と観ながらニヤニヤしてしまった。

ピックアップトラックやセグウェイ、自転車などによるチェイスなんだけど、ホントにすごい。


今さらながら、「野原一家ファイアーッ!」でなんでも出来るようになってしまうのは、ちょっと卑怯で冷めちゃうな。