真田太平記 DISC.1
176分 日 1985~1986(2005年DVDリリース)
演出 大原誠 門脇正美 永野昭
製作 榎本一生
脚本 金子成人
音楽 林光
撮影 吉野照久 沖中正悦
出演 渡瀬恒彦 草刈正雄 遥くらら
榎木孝明 丹波哲郎 夏八木勲 ほか
【完全ネタバレ】
〔解説〕
『真田太平記』は、1985年(昭和60年)から1986年(昭和61年)にNHKで放送された連続テレビドラマ。NHK新大型時代劇の一作である。放送期間は1985年(昭和60年)4月3日 - 1986年(昭和61年)3月19日。全45話。
信濃の一豪族でありながら、上杉、北条、徳川らの大名と伍して戦い過酷な戦国乱世を生き抜いた真田一族。だがその陰には親と子、兄と弟をめぐる愛と葛藤のドラマがあった・・・。
「週刊朝日」に連載(1973~82年)された池波正太郎の長編大河小説を、金子成人(大河ドラマ「義経」)の脚本を得て完全映像化した名作シリーズ。
DISC.12(全45回)まであるようでこれから先を考えると、ちょっとキビしいかなぁ。
途中で観るのやめちゃうかもわからん。
「太平記(1991)」がむちゃくちゃオモロ過ぎるんだな。
真田昌幸(丹波哲郎)とその長男・信幸(渡瀬恒彦)、次男・幸村(草刈正雄)ら真田一族と草の者(忍び)らの物語。
タイトルの題字に池波正太郎とある。池波さんが書いたんかな。
合成とVFXが随所で使われているんだけど、ちゃちい。
時代を考えると仕方ないんだろうけど。
忍び同士が対決するアクションシーンが楽しい。
ただ少々キレがない。
第一回 「若武者たち」
〔ストーリー〕
甲斐の猛将・武田信玄が死して9年が過ぎた。
天正10年(1582)3月1日。武田の宿将・真田昌幸は、嫡男・信幸、次男・幸村、重臣・矢沢頼康を前に、高遠城で織田信忠の軍勢に包囲されている武田勝頼を、居城である上州岩櫃城へ向かえることを決断する。
メインキャストが濃い(笑)
樋口角兵衛役の榎木孝明がまださわやかだけど、なんとも画が濃厚だ。
昌幸は知略たくましくねばっこいエロ親父というイメージ。
正室の山手殿(小山明子)の目を盗んで、夫が戦死した久野〔山手殿の妹〕(香野百合子)に手を出そうとしたり(以前、関係があった)、側室のお徳(坂口良子)が懐妊すると山手殿のリアクションを気にしたりと恐妻家としても描かれている。
丹波哲郎が、その演技もどうも好きになれないんだよな。
あまり奥深さを感じない。
山手殿は妬婦として描かれ、のち間接的に角兵衛によるお徳暗殺未遂のきっかけをつくる。
沈着で黙々と任務を遂行する真田忍者の頭領・壺谷又五郎(夏八木勲)がいい。
セリフは少ないながらも印象に残るなぁ。
又五郎は織田の軍勢に包囲された高遠城から向井佐平次(木之元亮)を落城させるようお江(遥くらら)に命じるのだった。
お江が佐平次を岩櫃(いわびつ)城へと救出する展開のサスペンスとアクションがお話を盛り上げる。
第二回 「天魔の夏」
〔ストーリー〕
天正10年(1582)3月10日。勝頼が自刃して果て、武田家は滅亡。
昌幸のもとに、真田忍びの頭領・壺谷又五郎から、織田信長が武田攻略で貢献した徳川家康に駿河の国を与え、滝川一益には上州沼田と信州小県、佐久、真田庄を与えるという密書が届く。
長男・信幸は冷静沈着で人の気持ちを察することができるやさしい男。
次男・幸村は闊達で磊落、真っ直ぐだが次男らしい軽さがある。
幸村のイメージがちょっと違った。
と言っても、真田幸村のことはよく知らないんだけど。
その散り方が人気の理由だと思うんだけど、どのように成長し昌幸に負けない軍略家となるのかが、このドラマでとりわけ楽しみなところ。
本能寺の変をむかえ、昌幸は相模の北条氏政よりいち早く上州沼田城を奪う。
また、対上杉家のためにもと上田城築城をはじめる。
第三回 「幸村初陣」
〔ストーリー〕
天正10年(1582)6月2日。天下統一を目前にした信長が、明智光秀の謀反のため本能寺で自害。その急変を聞いた昌幸は、滝川一益に渡した沼田城を争うことなく奪い返す。
しかし、北からは上杉景勝、南からは北条氏政に攻め立てられ、家康を頼ることとなる。
佐平次を家来にした幸村が父・昌幸に反し初陣を果たす。
角兵衛は信幸を慕っているが、兄である信幸を差し置いてさきに家来を持ったり戦場に出た幸村に信幸排斥の野心があるのでは、と疑心を持つようになる。
時にずけずけとした明るさをもつ幸村に対し、嫌悪と対抗心を持つ角兵衛。
その様子は第一回でもきちんと触れられていた。
幸村は父・昌幸に対し譲らず口答えをしてみせるが、その快活さに昌幸も折れてやる。
正直、今の時代では爽やかとは言えない顔立ちだと思うけど、超イケメンの草刈正雄さんが漸次魅力的に見えてきた。
一方、不妊女であったはずの側室・お徳が懐妊した事を知りオタオタする昌幸。
お徳役の坂口良子が頬がぷくっとして可愛い。
昌幸が外交において北条氏の使者をその頭脳で煙にまいたり、たぬきぶりを見せたりするシーンが面白いし、そういうのが観たいんだけどそういうシーンは結構あっさりで残念。
他愛ない身内のいざこざに時間が割かれていてちょっち不満。
第四回 「角兵衛騒動」
〔ストーリー〕
天正11年(1583)秋。上杉景勝の麾下にある丸岩城の羽尾源六郎が、中棚の真田の砦に攻撃を仕掛けてくる。
信幸は、従弟の樋口角兵衛を伴い初陣を果たし、羽尾勢から中棚を見事に取り戻す。羽柴秀吉と家康の対決が近いと悟った昌幸は、上田平への築城を急ぐ。
信幸は角兵衛を家来とし、中棚の砦で共に初陣を飾る。
角兵衛は山手殿と母・久野の会話を聞いてしまう。
それは昌幸の側室・お徳が懐妊したことにより、もしそれが男児であれば後継問題において信幸の身があぶないというもの。
昌幸は信幸が自分に負けないほどの知略を持っているため疎ましく嫌っていると山手殿は思っているのだった。
また、昌幸と母に関係があったことを知る。
角兵衛はお徳を暗殺するため、一人真田ノ庄へ向かう。
いち早く着いた幸村は制止するが、角兵衛は聞かず「真田家のためです」と抜刀するも捕らえられ牢へ。
一方、お江は家康の動静を探るため浜松城へ潜入するが、忍びに感づかれ戦うことに。
スローモーションで魅せるアクロバティックな殺陣が面白かった。
いかにも忍者同士の戦いといった風。