太平記 完全版 Disc.3
172分 日 1991年(2008年完全版DVDリリース)
演出 田中賢二 佐藤幹夫 榎戸祟泰
製作 高橋康夫
脚本 吉川英治(原作)池端俊策
音楽 三枝成彰
撮影 杉山節郎 細谷善昭
出演 真田広之 沢口靖子 緒形拳
大地康雄 片岡鶴太郎 フランキー堺 高嶋政伸
柳葉敏郎 宮沢りえ 樋口可南子 ほか
【完全ネタバレ】
〔解説〕
騒乱の南北朝時代を武家の棟梁・足利尊氏を中心に描いたNHK大河ドラマ第3巻。
尊氏は倒幕を図る新田義貞、楠木正成らと接触。後醍醐天皇の起こした元弘の変の鎮圧を命じられるが、反旗を翻し京を制圧する。
第8回「妖霊星」から第11回を収録。
第八回 「妖霊星」
足利高氏(真田広之)の子を宿す藤夜叉(宮沢りえ)は高氏に再び会わず、故郷の伊賀へ去ってしまう。
しばらくし、高氏は赤橋登子(沢口靖子)との婚礼を迎える。
赤橋家は北条一族であり、この婚姻で足利は安泰であるし、最有力御家人との結びつきで北条も安心であるが、密かに倒幕を企む高氏は複雑であった。
赤橋家のかまどからもたらされた灯火で足利亭を照らし、婚礼の3日間絶えず灯される。
こういう当時のちょっとした風俗や文化、習慣の紹介もなるほどと楽しい。
一方、後醍醐天皇の側近・日野俊基(榎木孝明)は放免される。
石(柳葉敏郎)は日野に楠木正成に会った事、また伝言を伝える。
石は正成の弟・楠木正季(赤井英和)の元で働くようになるが、 その筋から先代の北条家内管領・長崎円喜(フランキー堺)暗殺計画に加わることに。
幕府柳営内で盛大な田楽の宴が催される。
刺客が現れ円喜を狙うが、彼はすでに情報を得ていて無傷で逃げおおせる。
この刺客を放ったのは実は執権・北条高時(片岡鶴太郎)なのだった。
円喜にすべてを見抜かれ恐れた高時は、乱心し刺客を討たんと刀を振り回す。
鶴さんのパフォーマンスがいい。
でも、面白くて全編見所だなぁ。
鶴さんが観たかっただけなのに、それだけではすまなくなってしまった(笑)
第九回 「宿命の子」
高氏の父・貞氏(緒形拳)が病で倒れる。
貞氏は高氏に家督を譲る事に決め、「ワシのように迷うな。天下を取れ。」と諭す。
一方、伊賀の国で赤子(のちの直冬)と暮らす藤夜叉。
柳斎と名のり具足師に化けた右馬介(大地康雄)が二人を見守っている。
柳斎の時の大地さんの演技がオモロイ(笑)
高氏の側近・高 師直(こうの もろなお)役の柄本明 さんが楽しい。
無表情だったり全然動かなかったり、なんか異様な雰囲気のキャラクター。
高氏の弟・直義と対立し、のちに観応の擾乱(かんのうのじょうらん)を巻き起こすけれど、そのフリがちゃんと描かれていて、直義に対しやや無礼な態度を取ったりしている。
観応の擾乱は、1350年~1352年に起こった足利幕府の内紛だそう。
第十回 「帝の挙兵」
1331年(元弘元年)、後醍醐天皇を中心とした勢力による鎌倉幕府討幕運動である元弘の乱(げんこうのらん)が始まる。
後醍醐天皇の側近である吉田定房が六波羅探題に倒幕計画を密告。またも計画は事前に発覚してしまう。
日野俊基(榎木孝明 )は再び捉えられ、処刑される。
また、後醍醐天皇は御所から山城の笠置山で挙兵する。
鎌倉では、足利貞氏が他界。
幕府は反幕府勢力を強く取り締まる行動に出る中、ばさらでたぬきな佐々木道誉(陣内孝則)も長崎円喜・高資の軍門に降ってしまう。
陣内さんが着てる紅葉柄の小袖がかっこいい。
第十一回 「楠木立つ」
笠置山は頑張りなかなか落ちず、六波羅では埒が明かないと兵の増強が決まる。
高氏も駆りだされるが、心配する登子に
「笠置山を見に行くだけだ。一本も矢は撃たぬ。」
となだめる。
それを伝え聞いた赤橋守時は表情を固くするのだった。
挙兵せよという天皇の勅旨を受けた楠木正成はそれでも迷っていた。
戦さが嫌いで、女房子供を危険にさらすからと悩む正成。
しかし、正室・久子(藤真利子)は「武士の誉れではないか。私達の事だけでなく自分の事を考えてください。」と背中を押す。
いよいよ正成は決心し、実弟・正季と共に笠置山を目指すのだった。