望遠鏡と虫眼鏡―――冬日雑感
日の暮れるのが早くなってきました。
気温も下がって、お風邪など召してはいませんか。
世界も日本も、ここしばらく楽しいニュースがあまりありません。
しばらく前から<閉塞感>の文字が溢れています。
ヨーロッパ、アメリカ、日本と、かつての先進国がみな調子を落としています。
何故かしらと想うと、それぞれのお国柄を
ノッペラボーのグローバルスタンダードと言うスタイルに
無理やりしてしまった事が大きいのではと思います。
しばらくパリに行っていないけれど、30年位前までのパリは、
パリの香りがしていたと思います。
小さな経済圏の中で、その国らしい文化や物が、
人を魅きつけていたように、人々も<らしい人>がいたと思います。
日本のバブル期前位からでしょうか。
個々の魅力より、金高の高低で全ての価値を判断する方向に行ってしまいました。
”何百年、何十年コツコツ作っていたブランドと言われる物も、
米国風ビジネスのやり方で世界中に拡がりました。
けれど、沢山使って売る=コストを下げれば利益が上がるシステムで、
昔の物より、クオリティを落としてしまった物も多くなったのも事実でしょう。
大きなビル、大きなレストラン、大きな劇場って、それ程魅力があるのかしらと思います。
英国の実業家が宇宙旅行を来年には実行すると発表してから、
日本からも申込みが多くあるとの事。
他方、この頃の世の中の流れに乗れず、心を病む人が年々急増する現実は、
どこに人間は行くのかと考えます。
薔薇、百合、鳩、太陽 昔はそれらにうっとりした。
けれど、今は お前だけ
ハイネ
冨や便利は大切だけれど、それ以上に心から人を愛する力を呼び起こす事の方が、今は重要に思えます。
心の豊かさ優しさが、閉塞感退治の処方箋のように思えるのですが・・・
望遠鏡と虫眼鏡―――ほっぺが冷たいナ~~~
お寒うございます。
急な冬の様子に、何を着ていたら良いのかしらと迷う事が多くなりました。
昨夕は、日比谷図書館の様子を見に、スタッフと公園の中を、
頬にヒンヤリとした空気の中を歩きました。
冬の始まりの頃の凛とした空気の中、白いさざんかの花がふんわりと
浮かび上がって咲く風景は不思議な魅力です。
春から秋までの草花のシーズンから、花樹の季節に移っています。
お花はみな大好きですが、特に椿や梅などの、寒さの中で咲く花々に
心魅せられます。
薔薇や百合の華やかさとは違う、静かさでしょうか。
花びらの質感や香りも、しっとりとしてステキ。
若い方の中で、盆栽を趣味にしている人々が増えていると聞きます。
小さな宇宙、小さな自然を感じる日本の文化も、心を病む人の多くなった今の
世の中に復活したい趣味です。
インターネットで何でも済む時代のように言われた時から、
やはり 人間は心を芯にした生き物だと、
今 感じている方が多いのではと思います。
もし、この頁を読んで下さっている方で、心が疲れてしまった方があれば、
少し足をのばして、樹木と話しに小さな旅をしてみては、
2駅先の公園にも、心を癒してくれる自然が見つかるはずです。
望遠鏡と虫眼鏡―――秋の日は ばらの香りに乗って♪
一日一日、秋も深まっています。
前回も、ご紹介した日比谷図書館のディスプレイも終わり、
今日は内覧会をしました。
エド・ギルドのネコ達も、江戸切子、漆器、指物もみんな
お行儀よく並びました。
園内のバラも風に乗って、嬉しい香りを運んでくれます。
開かれた図書館をコンセプトに江戸・東京の歴史を紹介する部屋を回りながら、
静かだけれど充実した時間を過せると思います。
ゆっくり時間をかけて、園内のお散歩でエクササイズをしてから、
普段 本屋さんではなかなか機会のない厚くて重~い美術書などを読むのも
楽しいのではと思います。
1Fの奥にライブラリーカフェがあります。
のんびりコーヒーをいただきながら、セレクトのおもしろい本屋さんで
しばらく読む本、今週の本を選ぶ楽しさは、
大人のお休み時間にしっくりとします。
ぜひ、秋のすてきな休日にお出かけ下さい。